映画レビュー:「ねことじいちゃん」 癒やされれば良いだけの


ねことじいちゃん
オフィシャルサイトより加工転載

あんまり感想とかありません。

あーだこーだ言う類の映画ではないと思います。

直前に何度目かの「七人の侍」を観たところだったので、なおさら。

当たり前ですが、猫好きのための映画。

数年前から猫ブームなので、ある一定数は動員できるだろうということは想像に難くない。

同時期に公開の「僕の彼女は魔法使い」(幸福の科学)と同じ商法とも言えます。

「僕のー」は誰が観るの?とは思うものの、やはり新聞のランキングには第一週のランキング一位だったりするのですね。

同列に比べるのも岩合さんに失礼かもしれませんが。


舞台はとある島、多分太平洋側。暖かそうな島。

いわゆる漁港のある猫島で、猫以外はほとんど高齢者。過疎。

高齢者の問題や過疎の問題などがあるのですが、まあ、そんなことはあっちへ置いておいて、本作ではひたすら猫を愛でましょう。

物語の前半は岩合光昭監督お得意の猫ウォッチング。

昔、テレビで良く放映されていたディズニーの動物映画を思い出します。
ディズニーの場合は長らくやらせ一切なしと謳っていたのが、実はヤラセだったとバレたのがかなり前のこと。

本作は特に動物に演技をさせたり擬人化したりすることはありません。

もっとも野良猫地域猫ではなく、動物プロダクション所属のタレント猫たちではありますが。

それでものびのびとだらだらと猫の日常を描いています。それが見事ですねえ。


一方、人間の方はというと。

これはちょっと、どうでしょう。

岩合監督は動物を撮らせたら世界一ですが、人間となると・・・。

出ているのが小林薫を始め達者な人たちなので、なんとか観ていられます。

主役の立川志の輔は頑張っていました。

理想のじいちゃんですね。


一つ主張があったとすると、飼い主を病死によって失った一匹の猫を小林薫が引き継いで飼うことを拒否します。

その猫の亡くなった飼い主は小林薫が想いを寄せていた女性でした。

小林薫が飼うことを拒否したのは自分の年齢を考えてのこと。
もっと若い人に飼ってもらうことを希望します。

自分が好きな女性を失った喪失感を同様に感じているこの猫に二度も同じ思いをさせたくないという思いです。

これは安易に動物を飼って最期まで面倒をみない風潮に物申したかったのだと思われます。

猫が好きで癒やされたければ是非。

※エンドロールでびっくりしたのが、制作に竹内力とリキプロジェクトの名前があったこと。
リキプロジェクトって、格好手広くやってますね。

ま、本編に竹内力が出てきたらちょっとぶち壊しかもしれませんが。

★★★☆☆

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