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読書レビュー:情報だけ武器にしろ。: お金や人脈、学歴はいらない!


ホリエモンといえば、一昔前というか、今でもある程度以上の年代の人からは嫌われている印象があります。

多分、一言で言って既存の常識にとらわれないというより破壊しているからでしょうか。

本書でも相変わらず気持ち良いほどそのような持論を展開しています。

ボク自身は保守的だけどパンクという人間で、彼が登場してきた時から結構好ましく見ていました。

まあ、実際牢屋に入っていたのだから問題はあるのでしょうが。

まず、冒頭から情報のシャワーを浴びろ、と。
しかし、現代人の脳は過度に働きすぎなので、休めなければならないと締めくくり、どっちやねんという感じ。

でも、確かにその両方とも正しい指摘であると思います。
要はバランスですね。

具体例をたくさんあげていますが、その中で特に目に止まったのが、銭湯について。

ボクは銭湯ファンで、あちこちの銭湯に入りに行きます。

最近はメディアに銭湯が取り上げられ話題になることも多いのですが、やはりどんどんとその数を減らし、存亡の危機に瀕しているいる現状に変わりはありません。

ホリエモンは銭湯にも興味があるらしく、復活させるためにかなりドラスティックなアイディアを出しています。
自分でやる気はなさそうですが。

確かにそれらのアイディアもアリだとは思いますが、やはりなんか違う。

それで銭湯経営という見地からは新しい地平を切り開くことはできるでしょうが、銭湯ファンからはソレじゃないとしか思えません。

1ユーザとしては「ケ(日常)」としての銭湯に魅力があるのであって、「ハレ(非日常」」の場を求めいるのではありません。多分。

店主と手伝い一人のカウンターだけの居酒屋に行きたいのに、チェーン展開の店ばかりになってはつまらない。というような感じでしょうか。

そこのあたりがホリエモンとの同調に限界を感じました。

全体的には非常に時代を捉えた良書であるとは思います。

映画レビュー:「YUKIGUNI」 山形かー、遠いなー。


yukiguni
リーフレットより

昨年、同様にバーマンに密着した映画「シューマンズ バー ブック」を見逃してしまったので、今回は是非見に行こうと。

そして、できれば、現在90歳を超えた伝説のバーテンダー・井山計一さんのカクテル「雪国」を御本人に作って頂けたら最高なのになあと思いました。お元気なうちに。

しかし、大阪から山形は遠い・・・。行きたいけど、時間もない。っていろいろ言い訳してても仕方ない。

まず、本作は充分に楽しめました。

地味そうなドキュメンタリーだけど、どうかなあと少し不安はあったのですが。

実際、DVDで観ても良いとは思いますが、やはり劇場で観てよかった。


ボクはBARは好きです。

あんまりカクテルは呑みませんけど。

静かなBARが好き。

BARの入り口は一つの結界だと思っています。非日常への結界。

麻生太郎さんは良くBARへ行かれるそうですね。

おそらく高級なホテルのBARなんでしょうね。

そんなライフスタイルを批判している人やマスコミもいるようですが、一国の大臣がそれくらいのことをして何がいかんのかと思います。
銀座やホテルのBARで高いボルサリーノを被り、プレミアムなシガーを楽しんでいるのでしょう。
そういった場所に入れるのは、やはり限られた人。多分、パパラッチもシャットアウトされるのだと思います。
祇園の一見さんお断りの西洋版ですかね。

ま、ボク自身がけっして麻生さんを好ましく思っているわけではありませんが。


で、全国の同業者が尊敬してやまないこの伝説のバーテンダーのお店はというと、なんか全然イメージと違う。

いわゆるオーセンティックという感じでは決してない。というか、正反対。

完全に田舎の純喫茶です。

もっとも、昼間の営業は現在、息子さんが喫茶店をしておられます。

BARの営業は午後七時から10時半まで。

調べてみると、看板のカクテル「雪国」はお値段800円らしい。

まあ、お安いですね。

麻生さんの通われてるいる店なら、多分ショットで3,000円とかでしょう。そんなところは行ったことないから知らないけど・・・。

90歳を過ぎていても、驚くほど滑舌も良く、トークも流れるようです。
すばらしい。


本作には、井山さんの影響を受けた同業のバーテンダーが多く登場します。

その語り口からも実に尊敬がにじみ出ている。

映画内で井山さんは、二人三脚でお店を切り盛りしてきた奥さんを亡くされるのですが、現在も孫ひ孫まで含めて非常に幸せな日々を過ごされているようです。

歩くには杖が必要ですが、毎日バーカウンターの中に立ってシェーカーを振る所作にはまったく隙きがありません。見事。

娘さんは引退してほしそうですが、やはりこの仕事が心の支えになっているのでしょう。


もう一つ観に行く動機になったのは、全編のナレーションを小林薫が担当しているということ。

それだけで、映画を観る理由になります。

しかし、驚くことに映画の途中からこの声が小林薫であるということを意識しなくなりました。

一つには映画の邪魔をしない彼のうまさがあるのでしょうが、単純に映画に引き込まれたのだと思います。

落語家は名人になると、羽織を脱いだことを気づかせないといいますし。

良い映画でした。

そしてあとは、やはり「雪国」を味わえれば言うことなし。

映画レビュー:「おっさんのケーフェイ」 心の底からブーイング!!


おっさんのケーフェイ
リーフレット

映画が好きでプロレスが好きだ。

食い物で言えばタコが好きでラーメンも好きだ。

本作はラーメンの中に生ダコぶっこんで、すべてを台無しにした。

我ながら、なんとわかりにくい比喩かとも思うが、ほんとに・・・。
どうしてくれよう。


主演の川瀬陽太は最近あちこちで見かけて評価されてるようです。

自分はシン・ゴジラで初見でなぜか印象に残りました。

あと、赤城というレスラー。

昔、南条隼人と名乗っていた時に少し裏方仕事をしていて本人と会ったことがあるのです。
その後はくいしんぼう仮面とかでブレークしたみたいですけど。

そんなこんなで、期待もせずに他の観たい候補作を置いておいて、時間調整もして観に行ったのです。

が。

ひっさびさです。

レビュー書かなきゃ良いとも思うのですが、逆に書かずにいられない。

上映中、この尺の短さで、このいたたまれなさ。

それでも、終わるまでにはどこか良い要素に出会えるかもしれない、と思いつつ、エンドロールまで我慢しました。

しかし・・・エンドロールの途中で席を立ったのはいつ以来か。

観るべきところが全くない!

ストーリーも陳腐だし、中途半端な関西弁は集中力を削ぐし。

設定その他も全く感情移入できませんでした。

プロレスというジャンルは清濁併せてすべてを飲み込むブラックホールだと思っていますが、この作品はダメだ。
この映画からはプロレスに対する愛情の欠片も感じられません。

そして映画そのものの魅力もない。

DVDで観て15分くらいで止めるのがちょうどよい感じ。

ここまで貶すのは自分でも不思議なくらい。

失敗したー、という言う感情を超えて憤りすら感じました。

なにが「ケーフェイ」か!

すみません。好き嫌いだけかもしれません。


同様にプロレスラーを描いた映画として。

中邑真輔の「パパは悪者チャンピオン」は未見です。

宇梶剛士の「お父さんのバックドロップ」はそれなりに良かった記憶があります。

でも、これは・・・。

☆☆☆☆☆⇒★が0ということ。

映画レビュー:「ねことじいちゃん」 癒やされれば良いだけの


ねことじいちゃん
オフィシャルサイトより加工転載

あんまり感想とかありません。

あーだこーだ言う類の映画ではないと思います。

直前に何度目かの「七人の侍」を観たところだったので、なおさら。

当たり前ですが、猫好きのための映画。

数年前から猫ブームなので、ある一定数は動員できるだろうということは想像に難くない。

同時期に公開の「僕の彼女は魔法使い」(幸福の科学)と同じ商法とも言えます。

「僕のー」は誰が観るの?とは思うものの、やはり新聞のランキングには第一週のランキング一位だったりするのですね。

同列に比べるのも岩合さんに失礼かもしれませんが。


舞台はとある島、多分太平洋側。暖かそうな島。

いわゆる漁港のある猫島で、猫以外はほとんど高齢者。過疎。

高齢者の問題や過疎の問題などがあるのですが、まあ、そんなことはあっちへ置いておいて、本作ではひたすら猫を愛でましょう。

物語の前半は岩合光昭監督お得意の猫ウォッチング。

昔、テレビで良く放映されていたディズニーの動物映画を思い出します。
ディズニーの場合は長らくやらせ一切なしと謳っていたのが、実はヤラセだったとバレたのがかなり前のこと。

本作は特に動物に演技をさせたり擬人化したりすることはありません。

もっとも野良猫地域猫ではなく、動物プロダクション所属のタレント猫たちではありますが。

それでものびのびとだらだらと猫の日常を描いています。それが見事ですねえ。


一方、人間の方はというと。

これはちょっと、どうでしょう。

岩合監督は動物を撮らせたら世界一ですが、人間となると・・・。

出ているのが小林薫を始め達者な人たちなので、なんとか観ていられます。

主役の立川志の輔は頑張っていました。

理想のじいちゃんですね。


一つ主張があったとすると、飼い主を病死によって失った一匹の猫を小林薫が引き継いで飼うことを拒否します。

その猫の亡くなった飼い主は小林薫が想いを寄せていた女性でした。

小林薫が飼うことを拒否したのは自分の年齢を考えてのこと。
もっと若い人に飼ってもらうことを希望します。

自分が好きな女性を失った喪失感を同様に感じているこの猫に二度も同じ思いをさせたくないという思いです。

これは安易に動物を飼って最期まで面倒をみない風潮に物申したかったのだと思われます。

猫が好きで癒やされたければ是非。

※エンドロールでびっくりしたのが、制作に竹内力とリキプロジェクトの名前があったこと。
リキプロジェクトって、格好手広くやってますね。

ま、本編に竹内力が出てきたらちょっとぶち壊しかもしれませんが。

★★★☆☆

映画レビュー 「たちあがる女」 なんかいい感じに描いてるけど、テロリストですから!


たちあがる女
オフィシャルサイトより加工転載

アイスランドの映画。

アイスランド映画というのは初めて見たと思います。

一言で言って「おばちゃんのランボー」ですね。


舞台はアイスランド。

間もなくウクライナから念願の養子を迎える、中年の女性。

いつもは合唱団の指揮者として穏やかに過ごしています。

アイスランドの大自然もすばらしい!

しかし、彼女にはエキセントリックなもう一つの顔があります。

それは。

環境保護のために大企業の工場を潰すというとんでもない野望を抱いているのです。


映画の冒頭、いきなり、工場の送電線を弓矢で破壊するという、まさにランボーな行動に出ます。

まあ、地域住民にとってはこの工場は苦々しいものではあるのですが。

だからといって、工場の労働者にも生活はあるし、政府に認められて操業しているわけですから。

それを反対だからといって実力行使で妨害するというのもいかがなものか。

しかも、これから幼い養子を迎えようとするのに、この行動は暴挙というしかないし、心から応援するには躊躇します。

ボクには環境テロのシーシェパードとかぶって見えます。


なんと、この映画は公開前からハリウッドでジョディ・フォスター主演・監督でリメイクされることが決まっているそうです。

なんで公開後すぐにリメイクするのか意味がわかりませんが、ハリウッドリメイクとなると、マーケットのレヴェルが全く違うでしょう。


この映画で気に入ったところ。

BGMがジンタ(?)的なんですが、そのスリーピースの楽団が{常に}シレッと画面に出てくるのです。登場人物でもなんでもなく。

その効果でランボー的緊張感が腰砕けになって、喜劇的になります。

プラス民族衣装を着た合唱団もそれに加わり、画面がほんわかしてきます。

非常に好ましい演出。

さて、この演出までリメイク版では踏襲するでしょうか。

したら、リメイク版の負けのような気もしますが。

あと、喜劇というと、全く関係なく自転車でアイスランドを旅する外国人の青年が出てきます。

この彼がなんの罪もないのに、テロリスト主人公の代わりに度々職質されて連行されるのです。
これがちょっとおもしろい。

まあ、作品の終わり方が???なところもありますが、非常に好ましい作品ではあると思います。

★★★☆☆

映画レビュー 「運び屋」 トランプ大統領の援護射撃


運び屋
オフィシャルサイトより加工転載

かつては政治家としての顔も持っていたクリント・イーストウッドの監督主演最新作。

と言っても現時点で米寿なんですよね。

映画監督って、これくらいの高齢になっても創作を続けてる人がいますが、その感性の瑞々しさにはホントに驚かされます。

コカインを大量にシカゴまで運ぶ高齢の男性の話ですが、クリント・イーストウッドが広大なアメリカの乾いた大地を走るトラックというのはそれだけでワクワクさせてくれます。

まさに憧れのUSAというか。

ロードムービーのようでロードムービーじゃない。


映画の中でネット社会を批判するような言葉が沢山出てきますが、反面ITについて行けない自分たちの世代へのある種自虐的な感じも受けます。

本作も特にCGIを使ったようなシーンは見受けられませんでした。

イーストウッドは、晩年にディジタルを拒否して引退した菅原文太と、ルックス的にも相似的なものを感じます。


「許されざる者」でイマイチ???と感じたのですが、

「グラン・トリノ」「ミリオンダラー・ベイビー」ですげぇ!と感じて、「アメリカンスナイパー」でも唸らせてくれました。
一つ前の「人生の特等席」まで、演じるキャラクターが本作も含め似た頑固親父なんですよね。そして続く本作。

今回も期待して行ったのですが。

悪くはないんだけど、なんか物足りない印象。

ストーリーに今ひとつ盛り上がりがない、というか。
一応、実際にあった事件が下敷きにはなっているらしいのですが。

もう少しケレン味のようなものがあっても良いんじゃないか。

観ていて退屈させるようなことはない。これはやはり上手いのでしょう。

画面はクリント・イーストウッドで持たせている感じです。

エンドロールまでメキシカンギャングがアンディ・ガルシアだって気づきませんでした。
太っちゃって。


※ちょっとネタバレ

他の人のレビューでも書かれるでしょうが、コカインで莫大な富を得て、殺人など屁とも思わない極悪ギャング。
末端の子分はちょっとイイやつだったりもするのですが。

結局、運び屋として大きな報酬を得た主人公は法の裁きを受けます。

そしてアンディ・ガルシアは因果応報で殺されますが、ギャング団自体は代替わりをしただけで解体されるようなことはありません。
そりゃ、メキシコのギャングですからいかにアメリカの警察(麻薬取締官)でもなかなか手が出せない。

つまり、アメリカにとっては脅威のままなわけです。

そこでトランプ大統領のグレートウォール作戦に繋がります。

共和党支持のイーストウッドの思惑が見えてしまう部分です。


*蛇足ながら、本日ピエール瀧が同様にコカイン使用で逮捕の報道がありました。

★★★☆☆

読書レビュー 「さよならインターネット – まもなく消えるその「輪郭」について」 家入さんかっこいい!


かなり昔から気になっている人でした。

現時点では刊行より3年近く経ってしまいましたが、問題なく今この時を語っています。ドッグイヤーと言われるこのジャンルでは核心的な素晴らしい内容であると言うことでしょう。

本書にも書かれていますが、そういえば都知事選にも出ていましたよね。

ホリエモンや孫さん、その他ITの申し子という感じの人たちの中では、結構こっち側の人というシンパシーは持っていました。

野望やマネーゲームとは無縁のいちオタクが成り上がったような人というイメージでした。

しかし、なかなか。
やはり行き当たりばったりで、会社を上場させるなどできることではないし、人間の幅と優秀さを伺わせます。

ボクは現在もペパボの利用者(ムームードメイン)であり、サーバかなり初期からの契約者でした。
安かったし、その分速度や安定度はダメダメでしたが。

本書の副題=間もなく消えるその「輪郭」について

本文中にも度々出てくる「輪郭」という文言が何を指しているのか、いまいちわかりませんでした。

端的に言って、「インターネットとは」という命題で良いのでしょうか。

家入氏の大好きなインターネットを、その発生から現在・今後を改めて俯瞰した内容です。

大好きだからこそ、一旦リセットして、さらに希望を持てるものとして見直そうというまとめです。

衒いなく書かれており、家入氏の人徳も感じさせる良書だと思います。

単順に  好きです。

映画レビュー 「THE GUILTY ギルティ」 色んな意味ですごい映画


the guilty
リーフレットより

ロッテン・トマト100% の支持らしいです。
でも、ロッテン・トマトは信用しないことにしているのです。
しょっちゅう裏切られてるし。

しかし!今回は違った。素晴らしい出来です。

でもレビューとしてはほとんど内容については書けません。
ネタバレは一切しないようにしなければ。


場所はデンマーク・コペンハーゲンの警察。
舞台は一箇所。警察のワンフロアだけです。
しかも、緊急連絡を受ける部署での電話のやりとりだけで進行します。
限定空間で限定人物。

事件は現場で起こっているのですが、本作はあくまでもデスクの前に座ってPCそ使用した最新の電話のみが武器です。

それで持たせられるとことが脚本・演出・演者のすごいところ。

緊急コール担当の警察官とまさに誘拐されている女性との限られた通話だけのやりとり。

そこに残された被害者の子供やその他との電話を介した会話だけで進んでいきます。

当然、試されるのは会話と背後の音で想像する力。

本作の監督は音から想像するイメージはそれぞれみんな違うという前提に基づいて発想したらしいです。

そういう展開なので、どういう方向とオチに持っていくかが気になります。

安心してください。決して裏切られません。

それにしても警察のお仕事は大変です。
七曲署やハリー・キャラハンだけが警察映画ではないのです。

★★★★☆

 

 

映画レビュー 「岬の兄妹」 目をそらすな。これも紛れもなく現在の日本。


岬の兄妹
オフィシャルサイトより加工転載

本来ならば、第七藝術劇場とかシネ・ヌーヴォとか、そっち系単館上映の作品だと思います。
本作は配給とかにイオングループが噛んでるので、メジャーなシネコン・イオンシネマでの上映。

でも、劇場入り口に表示の「岬の兄弟」という誤記にやる気の無さが。
「兄弟」じゃあ、ますます問題が複雑化するぞ。


今回は多少ネタバレさせるかもしれません。

舞台は日本のどこかの貧しい岬の漁村。

片足の悪い身体障害者の兄と精神障害(自閉症)の妹が二人きりで住んでいます。
ある日、兄は働いていた工場を突然リストラされ、たちまちに生活に困窮していきます。

そんな時、ひょんなことから妹が売春(というよりは強姦に近い)をして金儲けをしてしまいます。

最初はその行為を責めていた兄も、行き詰まった結果、あろうことか妹の売春の斡旋をし始めるのです。

とりあえず、この妹役の和田光沙さんがすばらしい。
ほとんどまともなセリフもないのに見事に演じきりました。
ありきたりの「体当たりの演技」なんぞという表現ではとても追いつきません。

演技が素晴らしく、彼女の哀れさに心が引き裂かれると同時に、クズで最低な男どもに吐き気をもよおす。


随所に痛々しくて観ていられないシーンがあります。

この映画のリアリティは韓国映画を彷彿とさせます。
なんなんでしょうね。韓国映画独特のあのリアリズム表現は。
やはり、なんだかんだ言っても、彼の国とはかなり似通った精神性があるので、そう感じるのでしょう。

大好きなヤン・イクチュン監督主演の「息もできない」を観たときに感じたようなしんどいほど救いようのないリアリズムを感じますが、本作はそれを凌駕するほどです。


ほぼ、有名な俳優は出てこないのに、高度なリアリズムで惹きつけてだれさせません。

最初のシーンで出てくる、改良住宅のようなボロやの並び。
汲み取り式便所のカラカラ排気煙突が見て取れます。
良くこんなところを探してきたなあと感心しました。
我ながら変な着眼点ですが。

その家の中も、なんでこんなにリアルなんだ?という荒れっぷり。

ディジタルCGIにより、映像で表現できないものはなくなったと言っても過言ではない現在。
キレイな画面はできますが、このキタナイ場面はできないでしょう。
作っても意味はないですが。
例えるのもおかしいですが、「君の名は。」の対極に位置するというか。
しかし、この饐えたような臭いのシーンこそ逆に貴重に思えてきました。

この手の弱者の問題は、都会に多そうな気もしますが、実際には田舎にこそ、もっと根の深いものがあるような気がします。

地方の田舎の深い闇、的な。

だからかな。安易な田舎暮らしおすすめ企画とかに乗れないのは。

ま、自分も結構田舎もんですが。

おすすめですが、かなり観る人を選ぶ作品でしょう。

★★★★☆


 

読書レビュー:「徹底研究!! GAFA」 見事に囲い込まれている状況をどうするか


なかなかに読み応えのある本でした。
当代随一の書き手が様々な角度からGAFAについて解説し、今後の展望を語ります。

世界を支配する4大プラットフォーマーである4社。
Google=検索
Apple=デバイス
Facebook=SNS
Amazon=EC
そして現在4社を総括するとAIとなるかと思われます。
もちろん、そんな単純なものではなく、お互い牽制しあいつつ、補完しあっている関係です。
(デバイス→検索→広告 のように)

ここにMicrosoftやその他の巨大企業が入ってこないというのは、ある意味、現在がバブルなのかもしれません。

現時点でEUのGDRPが対抗策を打ち出しているように、GAFAが脅威であるとの認識も強くあります。

自分自身でもこれらのプラットフォーマーに対して、十分に囲い込まれている、「茹でガエル」であるという認識は常々持っています。
GAFAのなかで個人的にはFacebookのみ、かなり前に使用を辞めました。
自分にとってメリットがないと感じたので。
しかし、4社の中では最もリアルに個人情報を持っているのがFacebookなのかもしれません。

バブルである以上、近い将来終わりがきます。

ポストGAFAはあるのでしょうか。

中国のBAT(バイドゥ・アリババ・テンセント)が有力視されていますが、私はそうは思いません。
現在、スマフォの売上では中国勢が大勢を占めていますが、結局、開発しビジネスモデルを作ったのはアメリカです。
紙や印刷技術を発明したChinaは現在なく、巨大な結果は出しているものの、それは全部後追いです。それで首位に立った時、次のイノベーションが起こせるのでしょうか。

ITに限って言えば、プログラミングはベースがアルファベットであり英語です。
中国語によるプログラム言語を開発し、中国国内だけで完結するケースも想定されているようですが、どうなのか。

今後、GAFAはどこに行くのでしょうか。
個人としては、Google先生におんぶにだっこ状態で、アマゾンプライム会員としてその便利さを享受しまくり、さらにそれらにアクセスするのはApple製品なので、とても気になります。

ただ、AIスピーカーの類は今の所まだピンときていない状態です。

※ほぼ書評にはなっていません。