この方を知ったのは、健さん(高倉健)のエッセイでした。ずっと気になってました。
あの健さんが心服しているのだから、すごい人という論法です。
その後、本を読んで、(「一日一生」)興味を持ちました。
比叡山のお寺の住職で、「大阿闍梨」という位です。兵隊の位でいうと、将軍?
「千日回峰行」という荒行があります。一日40kmを千日間休まず、比叡の山々を歩きます。毎日が命がけです。
寛平ちゃんのアースマラソンもすごいけど、こっちの方がすごいんじゃないか。
仕上げには、断食が待ってるそうです。
で、腰には短刀を差しています。つまり、行の途中で諦めたり、ケガで動けなくなったら、自決するということですね。
それを《2回》成し遂げているのが、この酒井大阿闍梨。普通、二回目はしないと思うな。
この400年間で、この行を2回成し遂げたのは3人しかいないそうです。
酒井大阿闍梨は今年85歳。お会いしておいた方がいいですよね(^_^;)
会場は中之島のリーガロイヤルホテルでした。
もっと、カジュアルなところでやってほしかった。
普通に開始前には到着したのですが、すでに、みなさんは着席されてました。
予想通り、平均年齢はかなり高め。
トイレに行っておこうと思い、入ると、白い着物の坊さんが用を足していました。
ん、本人?でも、若いしな。お弟子さんかしら。
いや、やはりご本人でした。
どう見ても85歳には見えませんが。
背は低いけど、横幅はがっしりしておられます。
いきなり、ナマ阿闍梨。ありがたい。
しかし、全く普通のおじいさんですが。
着席してしばらく待ちます。
いよいよ講演(説教)の始まり?
女性MCが登場。
ニットキャップをかぶって、「みなさん、こんにちはー」って、アンパンマンショーか?
アンパンマンではないけど、オリジナルの猫キャラクターが出てきて、なんとか音頭。
まんま、子供向けショーやん工エエェェ(´д`)ェェエエ工
阿闍梨のお話を子どもにもわかるように説くためのキャラクターらしいです。
その後、紹介映像。ここに来ている人はみんな知っていると思うが。
で、やっと、大阿闍梨登壇。
でも、舞台上にはなにもない。
演題もないし、高座もない。
マイクだけが出てきて・・・「はい、こんにちは」で話しが始まりました。
ピン芸?
しかし!さすが、千日回峰行を2回行っただけのことはありますね。
1時間の間、びくともしません。
かなりのスピードで話されるのですが、まったく話しを探すような風はない。
時節柄、震災の話し・時事ネタも織り込まれ、お話自体が縦横無尽に展開していきます。
脱線しつつ。普通、こういう場合、「あれ、なんの話ししてたっけ?」となるのですが、これが全くない。
少し脱線しても、すぐに本題に戻ります。
単語自体は「ほれあのナニが・・・」とか「えーっと」とかいうのが多いのですが、お話そのものには全く淀みがない。
これが1時間。
体力だけ考えてもこれはすごいことです。ほんとすごいですよ。
お話はとことん平易。
難しいことは全くなし。
まあ、といって、具体的にすごく為になる話しとかもないんですけどね。ぶっちゃけ。いや、これは自分の至らないところだと思います。はい。
しかし、大阿闍梨、エライ方というバックがわかってるし、大きな魅力(失礼な言い方ですが)も感じます。
この小さなおじいさんが、これだけのパワーを持って、多くの人に日々影響を与えてるんだから、自分なんかいっくらでも頑張れるよなあ。
と、思わせてくれました。
うん。
IT関連の専門用語まみれのネットばっかり見ていると、基本に立ち返らせていただいたように思います。