正編の方にサブタイトルが付いているというのは、息子の名前がありきのバカボンパパとかムーミンママみたいです。
「イップ・マン 序章」のレビューを読み返すと、記憶が蘇ります。
自分で続編観たくないと明記してますが、観てしまいました。
主演のドニー・イェンはやっと林与一に見えなくなってきましたね。
ネタバレさせると思いますが、はっきり言って、あまり影響ない映画だと思います。
日本では80年代までのプロットかと思います。
もちろん、最近の日本映画でおバカな内容のものは沢山ありますが、これだけ大上段に振りかぶって制作することはできないでしょう。
ネタバレ嫌やな人はここから先読まないほうがいいです。
☆ ☆
一言で書くと「ロッキー2」です。
ライバルのサモハン(アポロ)が敵役の試合で殴り殺され、その復讐をするドニー・イェン(ロッキー)。
敵役がイギリスのボクシングチャンピオンで、試合はボクシングリングで行われるので、より一層既視感が・・・。
☆ ☆
前作では敵役は大日本帝国でした。
今回は大英帝国です。
前半では「日)本人め!!」
後半は「西洋人め!!」の連呼。
物凄くダイレクトです。わかりやすい。さすが世界の中心の国。
前作通り、カメラワークやフィルターの使い方、効果がアメリカ映画の影響を強く受けています。
なので、白人だけが映るシーンなどはほとんどハリウッド映画みたい。
セットなどが物凄く緻密で、フィルターのダークな感じがより一層そのリアル感を盛り上げます。その反面、格闘シーンの香港ノリがちょっと説得力に欠けます。
最後は完全にロッキー。観ててちょっとこっぱずかしいです。
☆ ☆
前作から引き続き、イップ・マン@ドニー・イェンが完全無欠の良い人なんですが、あちらではそういう扱いなんでしょうか。
劇中傲岸不遜なボクシングチャンピオンに対するドニーのセリフ。
「中国人は謙虚を美徳とするのだ。」
それはまあ、儒教の思想に基づけばそうなんでしょうが。
最近の中国の報道を見ていると、彼の国が儒教発祥の地であることを忘れてしまいます。
もちろん、面白半分の報道も多々あるので、鵜呑みにするわけではありませんが、自分の少ない中国人との関係により感じたことも併せると・・・。
これもまた説得力のなさすぎなセリフです。
しかし、そういう価値観を認める国民性であるからこそのシナリオでありセリフなんでしょうから、さらにわからなくなります。
香港映画ですが、中国本土でも公開されているでしょうし。
ヒットしたので、もう一本作られています。
スターウォーズシリーズに倣って、遡るパターン。
イップ・マンの若い時らしい。「イップ・マン 誕生」
なので、ドニーは降りています。
☆ ☆
はっきり言って、ストーリーそのものは陳腐この上ありません。
しかしまじめに丁寧に作っているので、十分鑑賞には耐えうると思います。
それと、最後の最後でちょっとしたサプライズ。
ファンならばひと目で誰か分かります。