映画レビュー:「YUKIGUNI」 山形かー、遠いなー。


yukiguni
リーフレットより

昨年、同様にバーマンに密着した映画「シューマンズ バー ブック」を見逃してしまったので、今回は是非見に行こうと。

そして、できれば、現在90歳を超えた伝説のバーテンダー・井山計一さんのカクテル「雪国」を御本人に作って頂けたら最高なのになあと思いました。お元気なうちに。

しかし、大阪から山形は遠い・・・。行きたいけど、時間もない。っていろいろ言い訳してても仕方ない。

まず、本作は充分に楽しめました。

地味そうなドキュメンタリーだけど、どうかなあと少し不安はあったのですが。

実際、DVDで観ても良いとは思いますが、やはり劇場で観てよかった。


ボクはBARは好きです。

あんまりカクテルは呑みませんけど。

静かなBARが好き。

BARの入り口は一つの結界だと思っています。非日常への結界。

麻生太郎さんは良くBARへ行かれるそうですね。

おそらく高級なホテルのBARなんでしょうね。

そんなライフスタイルを批判している人やマスコミもいるようですが、一国の大臣がそれくらいのことをして何がいかんのかと思います。
銀座やホテルのBARで高いボルサリーノを被り、プレミアムなシガーを楽しんでいるのでしょう。
そういった場所に入れるのは、やはり限られた人。多分、パパラッチもシャットアウトされるのだと思います。
祇園の一見さんお断りの西洋版ですかね。

ま、ボク自身がけっして麻生さんを好ましく思っているわけではありませんが。


で、全国の同業者が尊敬してやまないこの伝説のバーテンダーのお店はというと、なんか全然イメージと違う。

いわゆるオーセンティックという感じでは決してない。というか、正反対。

完全に田舎の純喫茶です。

もっとも、昼間の営業は現在、息子さんが喫茶店をしておられます。

BARの営業は午後七時から10時半まで。

調べてみると、看板のカクテル「雪国」はお値段800円らしい。

まあ、お安いですね。

麻生さんの通われてるいる店なら、多分ショットで3,000円とかでしょう。そんなところは行ったことないから知らないけど・・・。

90歳を過ぎていても、驚くほど滑舌も良く、トークも流れるようです。
すばらしい。


本作には、井山さんの影響を受けた同業のバーテンダーが多く登場します。

その語り口からも実に尊敬がにじみ出ている。

映画内で井山さんは、二人三脚でお店を切り盛りしてきた奥さんを亡くされるのですが、現在も孫ひ孫まで含めて非常に幸せな日々を過ごされているようです。

歩くには杖が必要ですが、毎日バーカウンターの中に立ってシェーカーを振る所作にはまったく隙きがありません。見事。

娘さんは引退してほしそうですが、やはりこの仕事が心の支えになっているのでしょう。


もう一つ観に行く動機になったのは、全編のナレーションを小林薫が担当しているということ。

それだけで、映画を観る理由になります。

しかし、驚くことに映画の途中からこの声が小林薫であるということを意識しなくなりました。

一つには映画の邪魔をしない彼のうまさがあるのでしょうが、単純に映画に引き込まれたのだと思います。

落語家は名人になると、羽織を脱いだことを気づかせないといいますし。

良い映画でした。

そしてあとは、やはり「雪国」を味わえれば言うことなし。

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