少し前にテレビで見て、非常に興味を持っていた画家・レンピッカ展に行ってきました。
先日のルノワール展は「まあ、いっぺんルノワールはみておかないとな」的な動機でした。
今回はどうしても見ておきたかったイベントです。
場所は神戸・兵庫県立美術館。梅雨の合間の好天に恵まれ、電車で行ってきました。ipodの山下達郎がイイカンジです。
初めてICカードのスタシアピタパを使いましたが、これは便利だ。缶コーヒーも買える。
最寄り駅の阪神岩屋駅から海に向かって歩きます。潮の香りの美術館が見えてきました。大きくレンピッカのポスターとその上には同時開催の岸田劉生・麗子像がお出迎え。


結構人気でした。入場制限があったので、え、そんなに?と思ったのですが、中に入るとそれほどではなく、ルノワール展のようなことはありません。
レンピッカの初期は印象派。そして大多数を占める肖像画はキュビズムの影響が見られ、また、私の好きな幻想絵画的な技法も感じます。

ベッピンさんのレンピッカは、まるでグレタ・ガルボやマレーネ・ディートリッヒを思わせるポートレートを多数残しており、社交界での活躍も多くあったようです。
貴族や実業家などの依頼により、その自分の美しさを反映するような、綺麗な肖像画をたくさん描いています。
夢のように美しいグラデーションを使い、綺麗な顔や体を作っていきます。
そして、その描く顔にはシワがないのですね。まるで陶器のような顔です。年配者を描くときには、最低限のホウレイ線や小じわはありますが、「くわっ」とつり上がった眉の上の額にも全くシワがないのです。
やはり、女性的な美の追求かもしれません。
また、現在のアニメ絵のようでもあります。
そして、その絵は全く古さを感じさせません。
もう、そのまま、現在のポップアートとしても斬新です。1920年代の車にのっている自画像なども、おそろしく新しい感性で描かれています。
全体に非常に満足できた展覧会でした。これは20年前にポール・デルヴォー展に行って以来の感激。
充実の図録が¥2,500でゲットできたのも大満足。
今年はレンピッカが没して30年です。
展覧会の一番最後には、死の前年の老いたレンピッカのアップの写真が。
若い頃のムービースターのような写真を沢山並べたあとに一枚だけ。
これは必要だったのだろうか。
かなり意図的なものは感じました。
この後に岸田劉生を観るのはしんどいので、諦めて帰ります。でも、充実感。
この美術館自体が大変気に入りました。
次回の企画展は敬愛する「水木しげる」大先生。
行かねば、行くべし!
見える物を画一枚に表現する凄さは素晴らしく見ている人にもエネルギーをあたえてくれますよね。
次回の水木しげる先生の展覧会も楽しんできて下さい。
それでわまたのちほど。