「カトウワタルの本棚」カテゴリーアーカイブ

「ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法」  週刊SPA!つながり


 福田和也先生は週刊SPA!の連載が面白い。坪内祐三さんとの丁々発止の毒舌合戦と知識ひけらかし合戦がなかなか…。2人とも守備範囲ひろい!
 ボクはいつも、基本的に2人の意見にほぼ賛同してます。
 週刊SPA!は巻頭の勝谷誠彦さんのコラムも大ファンなので買ってます。しょうもない記事も多いけど。
 最近テレビ番組はほんとバカらしいけど、勝谷さんが出てるだけで、テレビを観る一つの判断基準としてます。例え一緒にテリー伊藤ゴトキが出てても、勝谷さんが出てるんだから、いいか。テレビも捨てたもんじゃないのかなと思ったり。
 この3人は週刊SPA!上でいち早く亀田一味をバッシングしていたので、さすが線引きの場所は似通ってるんだなぁ、とか思ってました。
 かなり、脱線しました。
 この本はいつもの福田さんからすると、なんか非常に優しい文体で優しく書かれています。
 タメになるんだけど、根本的に全てのレヴェルが違うんですよね。英字の「ヘラルド・トリビューン」だとか専門の仏語の本を原書で読むとかが普通なんで、そんなこと言われてもっていう感じです。
 でも、十分、自分自身のレヴェルに合わせて活用することができます。書いている事自体は簡単な事ばかりだし。
 フィールドワークの重要性や理論ばかりじゃないコツ的なものも大切であると。
 ああ、何だ、それでいいのか、と安心させてくれる部分も沢山あります。
 少し前に出た本なので、インターネットの活用という点では、若干の修正が必要かもしれないと思いました。でも、先見性と基本構造のとらえ方は的確なので、ブレはありません。
 それと、難しい本をムリして読むな、みたいなところに励まされましたね。分かったふりして読んでても仕方ないもんね。
 同書の第二弾も出ているので、読んでみたいと思います。

よみがえる商人道 giichi fujimoto


カトウワタルの本棚
googleの各種ツールは本当に便利です。
なにかあると、ググるもしくはウィキペディアなどで検索します。もう、それはほとんど空気のように自然に。
 そしてそれらの便利さが便利であると忘れかけた頃、ある本を読みました。
藤本義一著「よみがえる商人道」。読みたくて探したのですが、既に絶版になっているので図書館で借りました。

藤本 義一
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 藤本義一さんのお父さんは商売人だったそうです。藤本氏自身はご存じの通り、直木賞作家で文筆家です。いわゆる商売人ではありません。サラリーマン経験もないそうです。
 実業に就いていない人の説く商売論なので、それほどの期待をしていなかったのですが、案に相違してなんとも説得のある随筆集でした。
 その中で心に残った言葉。前から知っていた言葉ではありますが、改めて…
「人の行く裏に道あり花の山」
 私の生業としているIT業界も生き馬の目を抜く業界。次々と猛スピードで流行ものが出ては消えていきます。勿論、web2.0に代表されるような概念やベース・フレームは残っていくでしょう。
 先のGoogleも、その最たるものです。
 しかし、ツールはあくまでもツールであり、使われてはいけません。
 依存すべきかどうかも…。おなじく同書に出てくる言い回しに「金○つかまれる」というのもありました。
 Googleがマイクロソフトとは一線を画す、いわゆる「帝国」ではない事を祈ります…。
 江戸時代の先人の知恵を煮詰めた言葉には、はっと気づかされ、足下を見ることを教えられます。
 ライブドアやグッドウィルといった、あまりにも成長を急いだ企業というのはやはり無理があるのかな。