「青い空」とタイピングしようとすると、どうしても「蒼井そら」と変換される件。
これはどうでもいいんですが。
700ページ超のボリューム。ハードカバーで読んだので、長時間の読書はつらい。
多分、上下巻に分ける選択もあったのだろうが、これはこれでいいと思う。
今どきの書籍は文字のポイント数も行間を大きいので、単純にページ数だけで測ることはできない。
著者渾身の作ではないだろうか。
久しぶりに腹に応える小説らしい小説を読んだ感じ。緻密綿密で面白い。ゆったりと身を任せる感じで楽しめる
海老沢泰久、まだまだこれからの活躍が期待された作家でした。
出身校は國學院大学。良くは知らないが、駅伝とかでよく出てくるのかな。皇學館と並んで神主さんの学校みたいなイメージ。
作者の出身校であるが、この作品の中でも、もっともシンパシィを感じるのは神道であると書かれている。
そのあたりもこの作品のポイントとなってくる。
隠れキリシタン及び棄教したものであるキリシタン類族を描き、時代に翻弄される主人公も類族である。
ボクは大阪府茨木市の出身。著者は茨城県出身。イバラキつながり。
それと、茨木市の北部はキリシタン大名で有名な高山右近が領主であり、隠れキリシタンの里。キリシタン資料館に良く行きました。
キリスト教の伝来から秀吉・家康による迫害。そして幕末の動乱へ。システムとして、そして国家のバックボーンとしての宗教を描きます。
中でも堕落した仏教に対しての描写は容赦ない。ちょっと一面的に過ぎるのじゃないかとも思うのですが、徹底的に僧侶が悪役です。
そして歪んだ神道も批判的。
なんか、一人キリスト教だけがピュアなの?
かなりファナティックで、解釈によるずるい側面があるとも思うが。
だからこそ、時の為政者に畏怖され迫害に拍車がかかったとも言える。
主人公は農民出身ながら、抜群に剣の才能がある。これは剣豪小説ではないので、それほど固執することもないが、そのあたりの描写説得力が弱いようにも思う。
その辺は瑣末なことで、本当によくできた小説であり、読後感も最高である。
必要ではあるのだが、時代の説明の部分は若干めんどくさいかな。早くストーリーの展開が読みたくて。これは仕方ない。
「坂の上の雲」にしても、余談と時代の説明がくどすぎてつらいし。
浅田次郎や和田竜のようなエンタテインメントではないが、こういう重厚な展開もいい。
満足度大。
1 thoughts on “読書レビュー:青い空 読み応え・満足度(・∀・)イイネ!!( ;∀;) カンドーシタ”