読書レビュー:青い空  読み応え・満足度(・∀・)イイネ!!( ;∀;) カンドーシタ


海老沢 泰久
文藝春秋
発売日:2004-06-10

まず、最初に。

「青い空」とタイピングしようとすると、どうしても「蒼井そら」と変換される件。

これはどうでもいいんですが。

700ページ超のボリューム。ハードカバーで読んだので、長時間の読書はつらい。

多分、上下巻に分ける選択もあったのだろうが、これはこれでいいと思う。

今どきの書籍は文字のポイント数も行間を大きいので、単純にページ数だけで測ることはできない。

著者渾身の作ではないだろうか。

久しぶりに腹に応える小説らしい小説を読んだ感じ。緻密綿密で面白い。ゆったりと身を任せる感じで楽しめる

海老沢泰久、まだまだこれからの活躍が期待された作家でした。

出身校は國學院大学。良くは知らないが、駅伝とかでよく出てくるのかな。皇學館と並んで神主さんの学校みたいなイメージ。

作者の出身校であるが、この作品の中でも、もっともシンパシィを感じるのは神道であると書かれている。
そのあたりもこの作品のポイントとなってくる。

隠れキリシタン及び棄教したものであるキリシタン類族を描き、時代に翻弄される主人公も類族である。

ボクは大阪府茨木市の出身。著者は茨城県出身。イバラキつながり。

それと、茨木市の北部はキリシタン大名で有名な高山右近が領主であり、隠れキリシタンの里。キリシタン資料館に良く行きました。

キリスト教の伝来から秀吉・家康による迫害。そして幕末の動乱へ。システムとして、そして国家のバックボーンとしての宗教を描きます。

中でも堕落した仏教に対しての描写は容赦ない。ちょっと一面的に過ぎるのじゃないかとも思うのですが、徹底的に僧侶が悪役です。

そして歪んだ神道も批判的。

なんか、一人キリスト教だけがピュアなの?

かなりファナティックで、解釈によるずるい側面があるとも思うが。

だからこそ、時の為政者に畏怖され迫害に拍車がかかったとも言える。

主人公は農民出身ながら、抜群に剣の才能がある。これは剣豪小説ではないので、それほど固執することもないが、そのあたりの描写説得力が弱いようにも思う。

その辺は瑣末なことで、本当によくできた小説であり、読後感も最高である。

必要ではあるのだが、時代の説明の部分は若干めんどくさいかな。早くストーリーの展開が読みたくて。これは仕方ない。

「坂の上の雲」にしても、余談と時代の説明がくどすぎてつらいし。

浅田次郎や和田竜のようなエンタテインメントではないが、こういう重厚な展開もいい。
満足度大。

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