場所はどこかわかりませんが、関東の山村の近くのようです。
伝統派空手を描いてるんですが、この当時は伝統派とかいう区別もなかったんじゃないでしょうか。
全部「唐手」っていうイメージしかないです。
昔の空手着って、もっと裾の短いイメージしかなかったんですが、出てくる人たちが本物ばっかりなんで、多分間違いはないでしょう。
伝統派空手も沢山流派がありますが、極真系フルコンではないというくらいのくくりで、これはプロモーション映画化と解釈して良いのかな。
昔は東映商業映画で千葉ちゃん独壇場で作られてました。
考えてみたらJJサニー千葉は凄いですね。
大概仲悪い噂しか聞かないマス大山と宗道臣の両方の役をやってるんですから。
そういうメジャー系の武道映画ではない、地味なプロモーション映画という位置づけでしょうか。
そういうのジャンルで(あるのか?)好きだったのは合気道を描いた「AIKI」ですね。主演の加藤晴彦よりも、師範役の石橋凌が良かった。石橋凌って、あのスッパマン体型でもカッコイイんですよね。
それはともかく、こちらの映画は空手のできる俳優ではなく、演技のできる空手家を起用しています。
主人公の3人の内、メインの2人は空手の実力者・キーパーソンです。
故・真樹日佐夫先生を筆頭に、極真系にもそういう人たちは多々おりましたが、どうも梶原一騎臭が漂って、そういうカラーに持っていかれてしまうんですよね。
いや、それはそれで大好物ですけどね。
伝統派空手の人たちなので、マッチョ的なアプローチではなく、型の綺麗さで魅せてくれます。
あと、セールスポイントの一つである速さとか。
結構、本作のアクション(擬闘)は、初弾の突きで終わらせるパターンを多用してます。
それと、当ててます(w オイ!
メイキングでは口から血出てるし。
演出的に謎な部分も多いですね。
なんで、そんないきなり憲兵隊と対立するのかわからんし。
やられ役のヤクザもおかしい。
3人組なんですが、全員着流しでド派手な赤・青・黄の着物です。
吉本新喜劇やないっちゅねん。
しかも、ヤクザのくせにやたらとフライングニールキックとかヘタしたらカポエイラみたいな蹴り技出すし。
伝統派空手からの挑発メッセージなんでしょうか。
ラストの立ち回り。
なぜか、モノクロ画面になります。
昔のピンク映画はさわりのシーンになると、それまでモノクロだったのが総天然色(パートカラー)になったらしいのですが、その逆ですね。
意図がわかりませんが。
全体的なストーリーとしては、なんだか香港カンフー映画みたいです。
やはり、主役が俳優としての魅力にかけるので、イマイチ感が残ります。