ジャンルでいうというとミステリーなのでしょうが、いわゆる推理小説というものではありません。
作者は後味の悪い小説を書くということでは定評があるとのことですが、後味というよりは冒頭からずっと気分の悪い題材とディテールでした。
にもかかわらず、読み進んでしまうというのは作者の技量と言って良いと思います。
嫌なんだけど。
時代設定が昭和ですが、発行部数からして若年層読者ターゲットにはそれほど問題ないようです。少なくともボクには違和感はありませんでした。
特に女と子供のエグい部分を濾過してみせるように描き出しています。一方男はエグいと言うよりはひたすらセコく情けない部分を。
性善説など鼻で笑い飛ばしています。
ホントになんでこんな小説を読み続けているんだろうと思いつつラストへ。
週末近くになると物語の進行が転調し、狂ったジェットコースターのように加速度を増します。
そしてエンディングへ。