読書レビュー:はじめての宗教論 左巻―ナショナリズムと神学 (NHK出版新書 336)


「はじめての宗教論 右巻」に続いて、読了。

しかし、「右巻」と比べて格段に難解になってると思います。

油断してたら、フルスロットルで引き離された感じ。

と言っても、引用部分などがとっつきにくので、全然わからないということではありません。精読すれば、面白いです。

なんといっても「初めての—」だし。

宗教(キリスト教)をベースにナショナリズムが構築されているのだが、そのナショナリズムからしてそもそも「民族」という概念自体がフランス革命以降のものである、という部分は目新しい説明です。

キリスト教は偶像崇拝を禁止ししているのだが、やはり宣誓は聖書に手を置くし、十字架も特別なもの。

ナショナリズムが宗教に取って代わると、国家・国旗がそれを表象するものとなり、橋下氏を始めとする国旗・国歌への対し方はともすると信教の自由に関わるものであるという見方もできる。

と、これは私の見解。

それはともかく、簡単に「神学」と言っても、もぉ、笑ってしまうぐらい広範で多岐にわたり、とても一人で全てを学べるものではないらしい。

その枝葉ディレクトリの一分野に関して大学図書館に所蔵されている書物を読破するだけでも2・300年かかるとか。

しかも、ドイツ語始めラテン語まで勉強しなければならないし。

こういうものをベースにおいて発展し、思考や感性のもととしている欧米がグローバルスタンダードであるとするならば、やはりこれは学ぶべきだろう。

興味深いのは、啓蒙された近代以降の私達はファナティックな一団を別にするとして”天上に神は存在しない”ということを知ってしまった上で、キリスト教を信仰していると。
私には信仰心がないので、イマイチ理解できない点ですね。

それと、神が遍在しかつ絶対の善であるならば、なぜ悪が存在するのか。この件のなんだかこねくり回した聖書の解釈が無理やりっぽくて面白い。

佐藤優さんのいかにもクリスチャンである真面目さが随所にあふれていて、こちらも真面目に読んでしまいます。

キーワード:弁証学=異教徒に対する 論争学=内部派閥に対する

右巻はこちら

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