読書レビュー:古都


一応、郷土の超有名人なので常に意識はしていましたが、これまでに読んだのは
「伊豆の踊子」「雪国」くらいのもので、それもはるか昔のことでした。

イメージ的に作家というよりはガチガチの純文学者という印象が強かったので、
どうしても読むのに構えてしまう人でした。

しかし、ストーリーテラーとしてこんなに素晴らしかったとは!!!

純文学の代名詞のような人ですが、本作も含め上記二作も複数回映像化されています。

特に本作はその回数が多いようです。

山口百恵の引退作品として有名であり、これは見事なキャステイングであったと思います。
(未見ですが)

全編リアルな京都弁で描かれており、そのため頭のなかで京都弁変換がなされてそのリズムと
なり、読むのに少し時間がかかりました。
ここまでの正確な方言の記述であると、関西圏以外の読者にはかなり意味が伝わっていない
のではないかと思います。
言葉の端折り方なども独特なので。
自分にしてからが、途中何度もつかえた部分がありました。

千重子と苗子。

かつてのマナカナがもう少しアレだったら、適役だったかなと思います。

そして京都(洛中洛外)の歳時記と名所がこれでもかと描かれます。

京都(人)のイヤな部分は描かれないので・・・理想ですね。

しかしこの物語を川端康成はドラッグ(睡眠薬らしいですが)でラリリながら執筆したというのは、
より一層これまでより好きになりました。

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