「カトウワタルの本棚」カテゴリーアーカイブ

読書レビュー:葬式は、要らない (幻冬舎新書)


島田先生の本は当たり外れがあるかもしれませんが・・・、すっとぼけた顔して、やはり日本を代表する宗教学者ですね。過去の個人的経験にも基づいて、常にフェアな立場で書いておられるのが好感もてます。

で、この本はなかなかよくまとめてあります。いや、別に上から目線ではないんですが、ふつうサイズの新書として、いい感じかなと。
通常の単行本でもよかったかもしれません。

キーワードは「贅沢」

葬式は贅沢だそうです。日本の葬儀費用はダントツ世界一らしい。
葬儀屋と坊主が丸儲けっちゅう話ですね。
たまたま、昨年父がなくなったので、そのあたりの事情はわかります。

さりとて、誰もが白洲次郎みたいに「葬式無用、戒名不用」というわけにはいかないと。もちろん、残されたものとしては。

確かに、葬儀そのものは告知と告別のシステムとしては、便利ですね。合理的。

戒名が数十万円とか数百万円とかいうのはいかがなものかとは思いますが。
寺の運営費用も分かりやすく解説されています。仕方がない部分もあるかもしれません。
しかし、日本の仏教は特殊です。
タイあたり(小乗仏教)の坊さんは、出家したら死ぬまで金銭には触れないらしいが(これはこの本に載ってたことではありません)。

とりあえず、自分の葬儀はどうすれば良いか。なんか、結構楽しく遺言書の内容を考えられそうです。

この本に対抗(アンサー?)のしてるのかどうか知りませんが、「葬式は必要!」という本も出てますので、そちらも読んでみます。

読書レビュー:ブッチャー 幸福な流血―アブドーラ・ザ・ブッチャー自伝


結構前に出版されていた本です。

以前途中まで読んで、その時は途中でやめたような記憶がありますが、今回は一気に読みました。

内容よりも、このタイトルとカバー写真で「本」としてはOK(完成)です。

長い、プロレスファン人生でも、ブッチャーは格別。最もインパクトのあったレスラーです。

頭に蛇口がついているのかと思うくらいの流血っぷりで追いかけれたときは、生きた心地がしませんでした。
人間というよりは、クマとかサイとかに追いかけられている感じ。

この自伝は多分、結構自分で書いているんじゃないかな。というか、あまり第三者の演出はないように思います。

かなりええかっこしてますがね。多分。

インド系とアフリカ系の両親に生まれ、幼少時から極貧の中に育ったらしい。少年時の写真が一枚しかなく、貴重なその写真が使われています。
全く肥満していない、普通の黒人の少年です。

これは自伝の中にもありますが、貧乏の中で生きて行くために、自然とずるがしこく、守銭奴的になっていったようです。

当然、並大抵の自己主張では自己顕示欲の塊のようなレスラーの中で、なんのバックもないブッチャーが頭角を表せるわけはありません。
それほど、あえて描かれなかったのかもしれませんが、、相当な努力があったものと思います。

憧れでもあった、有色人種の大先輩スーパースター、ザ・シークとの確執も、尊敬と憎しみがないまぜになって描かれています。

その他の斎藤文彦を始めとするインタヴューなどを総合すると、かなり、計算高く、狡猾な・・・だけれども、自分には厳しく、プロレスラーとしては最高であるブッチャー像が見えてきます。

読み終わった後、無性に「ザ・ファンクスvsブッチャー・シーク」組のオープンタッグ選手権がみたくなって、YouTubeで探しました。
モー、サイコーです。

しかし、ブッチャーvs高田戦の高田のしょっぱかったこと(;´д`)トホホ…

読書レビュー:アップル vs アマゾン vs グーグル 〜電子書籍、そしてその「次」をめぐる戦い〜 (マイコミ新書)


これまで読んだ数冊のナビゲーター的な本とかなりカブる部分がありますが、一回読んだだけでは腑に落ちない点もいっぱいあるので、こういう場合は復習的に読めていいんじゃないかと思います。上手に斜め読みすれば。
といっても、この本も大変上手にまとめてくれています。
この3社がどのように覇を競うかというのは間違いないでしょう。(スティーブ・ジョブズの体調が心配ですが)
電子書籍を軸にして、クラウド及びプラットフォーム、デジタルデバイスの覇権を予想していきます。
3社と言いましたが、そこに加えてマイクロソフトとセールス・フォース・ドットコムを加えて三つ巴ならぬ五つ巴となるだろうとのことです。マイクロソフトのクラウドサービスというのも今ひとつぴんとこないし、最後の企業はアメリカ国内のみらしいので、全然わかりません。調べてみましょう。
一番きになるのはキンドルなのですが、結局日本の著作物はデジタル化を拒んでいるようなので、英語文化圏に比して立ち遅れていくことでしょう。ますますガラパゴス化していくのですが、どうせ開国するのであれば(多分そうなるでしょ)早い方がいいとおもうんですが。
とりあえず、京極先生に期待か。

読書レビュー:USTREAM 世界を変えるネット生中継 (ソフトバンク新書)


川井 拓也
ソフトバンククリエイティブ
発売日:2010-05-19

良くあることだが・・・
以前から気になってはいたけど、ちょっと横においておいた。置いておいてはいけなかったものなんだな。
youtubeとの差異もわからなかったが、大きな差は時間的な制約と無編集であるということ。そしてTwitterとの連動。
SoftBankの孫さんの協力体制。
たまたま読了後、孫さんの記者会見を観た。「自由報道協会主催 孫 正義 記者会見」。無編集なので、1時間40分以上。こりゃ疲れるが、孫さんの筋書きのない応答は一見の価値あり。これもUstreamの威力か。
権力のフィルターを通さない情報が得られるのであるから、既得権を持った一部の個人団体などには脅威でしょうね。
本日、統一地方選挙の投票に行ってきました。事前に調べても、サイトを用意していない候補者も結構いる。果たしてUstreamまで利用した候補者はいたのだろうか。あるいは規制などがあるのだろうか。
被災地も報道以外にさらに悲惨な状態であるとも聞く。違法・アダルトなどのリリースに関しては、かなりマンパワーに頼って、対応しているらしい。今後、チェック機能をどのようにしていくかが、急務なのだろう。
詳しくは本書を。

こんなん出ました「婦人国防」


昨年の暮れに父が亡くなり・・・。

先日やっと納骨まで済んだ。

葬儀は残されたもののためにあると、書いていたのは誰だったか。

ほんとにそのとおりで、しかし、なんなんだ、この達成感のない行事は。

システマチックな坊さんの読経とセレモニーは、魂抜きと魂入れ。

なんだか、指揮棒のようなもので、これ又聖水と粉のようなものをもったいぶって墓石と過去帳?にぺちゃぺちゃとつけていた。

高校生の娘はハリーポッターの校長先生を思い出して、笑いをこらえるのに必死だったらしい。

しかし、これで母は満足だろう。それでいい。

数日後、仏壇の写真立ての写真の裏から、これが出てきた。

B5版、16Pです

昭和十三年十月十五日  1938年!です。 73年前ですよ。

国防婦人会 関西本部発行の「婦人国防」。

発行部数521,1000部とあるが、ネットの検索ではさがすことができない。

古さに比して、保存状態はかなり良いと思います。

これ以上、やけないように保存しましょう。

内容は銃後の守りを勇ましく鼓舞するものばかり。

実際にこれを楽しく(?)読んでいたのでしょうか。

読書レビュー:なぜ、脳は神を創ったのか?


結構気になっている人で、これまたきになるタイトルなのですが、やっと読みました。
大阿闍梨らしいけど、比叡山の酒井雄哉大阿闍梨と同じっていうことか。
書いてあることは一部難しくてわからない。ちょっと衒学的?とも思えるのだが、それはこちらが理解できていないだけなのか。多分そう。

非常に面白く読めました。
オウムの洗脳を解いた人というくらいの認識しかなかったけど、宗教学の造詣も深いのですね。

科学的に神の不在は証明された、で始まります。

その部分の説明もなされてはいるのですが、今ひとつ納得できないんですよね。
でも、そこを納得しないと先に進めないので。

切り口としては目からウロコ。実際にアメリカにおけるキリスト教の実態というは、説明されているとおりだろう。
先日池上彰さんが、宗教国家としてのアメリカをレポートしていたけど、着眼点は非常に似通っている。

ひとつ思ったのは、苫米地さんを信じてしまうのもひとつの宗教ではないの、ということ。
他の著作も読んで、ゆっくりと判断していけば、さらに面白いだろう。

読書レビュー:アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争のゆくえ


読書時点で少し前の著作になるのだが、このジャンルでは週刊誌レベルの情報でないと追いつかない。多分、書いている人たちも時間に追われてヒーヒーだろう。日々情報が差し替わっていくのだから。

アップル・グーグル・マイクロソフトを「クラウド御三家」的に書いている。マイクロソフトのクラウド戦略は初めて読んだが、当然、なんの手も打っていない訳がないですわね。
SaaS PaaS IaaS (SaaSしか変換されない)の基本概念も勉強する必要あり。クラウドへの懐疑も押さえるべきか。

多少アップル寄りではあるが、アップルの弱点も抑えているので、良い。

言葉の使い方も適正であり、好感が持てる。ただ、全体的に一般向けではなく、多少難解である。

読書レビュー:電子書籍の衝撃


佐々木 俊尚
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2010-04-15

佐々木俊尚さんの電子ブック⇒情報リテラシーのパラダイム変換解説啓蒙書。
珍しく、攻撃的です。紙の書籍から電子ブックへの変換と、全文検索を目指すGoogleの存在意義を説いています。正直、Googleに依存しながら、盲信はするまいと思っている自分ですが、佐々木さんはより一層性善説に基づく集合知への信頼が強いように見えます。
明治以降の日本の書籍・雑誌流通から解き明かし、現状の閉塞的状況を解体すべしという先進的な論調を分かりやすく具体的に書いていると思います。
ケータイ小説やライトノベルというものは全くわからなかったので、それらがどのようなもので、どういうポジションにあるものなのかがわかったのは大きな収穫でした。
キンドルやアイパッドには非常に期待があり、わくわくしています。
実際、アイパッドでの読書というのにはまだ、抵抗がありますが。
新書にしては大著ですが、面白い内容です。

読書レビュー:読書進化論 人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか 小学館101新書


勝間和代さんに関しては、色眼鏡をかけず、実績と照らし合わせて、吸収できるとここはさせていただこうという感じ。
で、知識を吸収する上での基本である読書論。ウェブとの両立を最も早く行い、紙の読書にインタラクティブな方法論を持ち込んだ先駆者でもあります。
最初は具体的な事例と施策の解説で面白かったのだが、三分の二くらいから、なんか、本の売り方戦略みたいになってきて、斜め読みにしました。
相対的には面白く勉強になります。
モチベーションアップにも。

読書レビュー:結局、女はキレイが勝ち


勝間 和代
マガジンハウス
発売日:2009-12-17

この本、Amazonでのレビューがエライことになてます。
http://amzn.to/8gZf6c

済みません。私もかなり前に本屋で立ち読みしただけです。男が買ってもどうなのよ、と思って。

パラパラなんですけど、このタイトルが惹句でないことはわかりました。
なんか、自分がキレイということが前提になってまして、えぇぇ・・・です。

あなたがキレイ(とりあえず)な事と、今のポジションとは因果関係ないと思います。

前から思ってたけど、真正面以外はダメな顔なんですよ。

ちょっと、角度をずらすと、ゴツイからなんか、ごつごつしてて。
最近、力石を連想してしまうんです。

みんなの袋叩き的レビューも宜なる哉(;´∀`)

多分、釣りだとは思うので、そういう意味では大成功?