
☆すこしだけネタバレあり。
本編前の時期公開予定予告編で来年2018年公開のヴィム・ベンダース監督作品「アランフエスの麗しき日々」という映画の予告編が流れた。
その映画で主演しているのが、本作でもジャンゴ役で主演している、レダ・カテブという俳優。
全然知らない人だったのだが、出演作品など見ていると、今、旬の俳優みたい。
今から見る映画と予告編がかぶってても、単なる偶然ではないみたいだ。
ヴィム・ベンダース監督も好きなので、できたら観に行こう。
しかし、それほど魅力的な俳優には見えなかった。お世辞にもハンサムとは言えないし、印象に残るタイプでもない。
本作での堂々たる天才ギタリストの役は堂に入っている
伝説のギタリスト・ジャンゴ・ラインハルトを描いた作品。
ナチス政権下、ユダヤ人よりも差別されたのであろうロマ(ジプシー)のギタリスト。
現在は「ジプシー」という呼称が差別的であるとの理由で「ロマ」と言われているらしい流浪の民。なにが差別的なのか分からないが。
「エスキモー」が「イヌイット」と呼ばれ、「インディアン」が「ネイティブアメリカン」と言われるようになったのと同じか。もっとも、最近は再び「インディアン」と呼ばれ始めたらしいが。
ジプシーだって、それを冠した語句や文化もあるんだし、ややこしいですね。
ボクなんかはプロレスラーのジプシー・ジョーが真っ先に思い浮かぶんだが。
このジャンゴもジプシー・ジャズの創始者らしい。
しかも若い時の火傷事故が元で左手の薬指と小指がほぼ使えない状態だったらしい。ボクは楽器が全く弾けないので、わからないのだけど、そんな状態で演奏ができるんですね。
いや、そんな状態だからこそ、天才と言われる奏者になったのかもしれないけど。
そして、そんなジャンゴの演奏シーンを見事に演じているのがレダ・カテブ。
実際にギターの腕前がどれくらいあるのか知りませんが、違和感は感じない。
ジャンゴのバンドは、無理矢理にナチスのパーティで演奏をさせられます。
最初は滑稽なくらい演奏の方法に注文(禁忌)をつけてくるゲシュタポたち(だったらジャンゴ達に演奏を命じなければいいのに)でしたが、徐々に演奏に熱が入ってきて、音楽本来の魅力に負けて踊りだすところが本作の触りか。
映画全体としては、もっとあとになってジワジワくる作品なのかもしれない。ストーリー展開などには、イマイチ乗り切れなかった。
★★★☆☆