月別アーカイブ: 2018年11月

読書レビュー:プラットフォームの教科書 超速成長ネットワーク効果の基本と応用


非常にわかりやすい本です。にもかかわらず、自分の語彙力(ターム)と理解力のなさを痛感します。
プラットフォームはランチャーなど複数の言葉に置き換えられるものと思います。
ビジネスモデルの構造としてのプラットフォームの説明が体系的に書かれています。
もとは学術論文で、それを一般向けにわかりやすく再構築リライトしたものとのことです。
ここのところ、ネットや新聞ではGAFAを始めとするプラットフォーマーという言い方の方が多く見受けられるように思いますが、その元となるものがプラットフォームです。
ここで言われるプラットフォームとは目新しいモデルではなく、ベースとなる大きなシステムがあり、それにアタッチメントとしてのサブシステムが乗っかるということです。
最近それが顕著に観られるのがITの分野であり、例えばOS上を走らせるアプリケーションソフトがそのモデルにあたります。
現実にはさらに多様性があり、複雑になっていきます。
印象に残ったタームとしては「スイッチングコスト」「マルチホーミング」などがありました。

映画レビュー:「ガンジスに還る」


ガンジスに還る
オフィシャルサイトより加工転載
インド映画ですが、歌もダンスもありません。マサラムービーではない。

ロッテントマトの評価が最高というのを信じて観たのですが、うーん、微妙です。

ちょっと、小津映画を彷彿とさせるものはあります。

あまりにも淡々としすぎていて、さりとてインドの風景をしみじみと堪能するほどの画力(えじから)もあるとは言い難い。

コメディと銘打ってる案内もありますが、コメディというにはパンチが弱い。

先日、同じインド映画の「バーフバリ 完全版」を観たのですが、これはこれで辛かった。あんまり
インド映画は観ていませんが、どうも相性というか、感性のズレがあるのかもしれません。

間も無く、「ムトゥ 踊るマハラジャ 公開20年記念」が封切られますが、これも観に行くかどうか迷い中です。

★★☆☆☆

読書レビュー:「東京奇譚集」 村上春樹


著者 : 村上春樹
新潮社
発売日 : 2005-09-15
所収の「ハナレイ・ベイ」が映画化されるので、観に行く前に読んでみた。この短編集は未読だったので。
村上春樹としては少し毛色が変わっているように思う。不条理な世界。

「ハナレイ・ベイ」については、若干浅田次郎が振りかけられているような印象。
なんか、映画を観たいとは思わなくなってきた。

中で気に入ったとすれば、「どこであれそれが見つかりそうな場所で」。
しかし、村上春樹の物語の登場人物はおしなべておしゃべりだ。
喋り口が非現実的でリアリティがないということは、作者も承知の上だろう。
でも、この作品では少しそれが過ぎるような気がした。
小説のテンポもあるだろうが、もう少し言いよどんでも良いような気がする。

最後の書き下ろし「品川猿」は何故か映画「パンズ・ラビリンス」を思い浮かべてしまう。

映画レビュー:「ボヘミアン・ラプソディ」 魂はウェンブリー・スタジアムに


ボヘミアン・ラプソディ
オフィシャルサイトより加工転載

年に何回かは人に勧めたくなる映画に出会う。

諸事情により、しばらく映画を見られてなかったが、なんとか滑り込みで観た「カメラを止めるな!」もそうであった。ちょっとなめてかかったら、アンジョウやられた感じ。

で、今回はちょっと期待してたら、その期待を軽く上回ってくれました。

似せて寄せることに重きは置かないけれど、四人ともホンモノにしか見えない。

いや、フレディについては、最初はかなり違和感あったのだけれど、途中からフレディ以外の何者でもなく、ホンモノを思い出せなくなってくる。

奇跡のボーカルはどうしてるんだろう。

スタジアムの数万人のオーディエンスはCGIだとしても。

この憑依芸はあの「シド・アンド・ナンシー」のゲイリー・オールドマン以来かな。

事実と違うとか、脚本が陳腐とかいう評価もあるけれど、映画なんだからこれで良いと思う。

確かに、フレディのソロ・アルバム「Mr.バッドガイ」の時はあんなにメンバー間が険悪じゃなかったように思う。

けど・・・あ、あんまり書くとネタバレになるからやめよう。

ご存知のようにフレディはゲイでHIVで亡くなってる。

※あの当時は、次はエルトン・ジョンかな、とか不謹慎な噂をしてたことを懺悔します。

今となっては、LGBTについて考えさせる作品にもなっております。

もう一回観に行こうかな。

★★★★★