月別アーカイブ: 2016年5月

柳家喬太郎 怪談話の会


病気で倒れるまえに購入していたチケットでした。

柳家喬太郎は間違いないので、出来る限り聴きに行きたい噺家です。

西宮の兵庫県立芸術文化センター。去年は笑福亭三喬の客演でした。

今回は独演会。あまり気にしてなかったのですが、今回は怪談話ということなのですね。
いつものような古典か新作が聴きたいところなのですが。

前座は弟弟子の柳家小太郎。なかなかの安定感です。演じたのは「弥次郎」 普段は小さな落語会をしているといってましたが、このような大規模なホール落語も多いのでしょうか。

仲入り前に柳家喬太郎のおなじみの新作「夜の慣用句」。本編の倍くらいのマクラで、本人もその件を採算ネタに入れていましたが、これは完全にサービスです。大満足。

仲入り後は江戸曲独楽。演者は三増紋之助。
こちらも結構大盛り上がり。
こんなに盛り上げてしまっていいのかな。
その後がトリの

「牡丹燈籠」なのに。

その後に登場した喬太郎は気にせずマクラもなしで噺に入って行きました。

し・か・し

ここから大失敗。いや、自分の大失敗。

入院中から不眠に悩まされ、ずっと入眠剤を服用しているのです。

眠くなる系の薬には極体に弱いボク。

不覚にも、静かな(怪談話だから当然)展開にかなり船を漕いでしまいました。

ところどころしか記憶がありません。

下手こいたぁ。

それでも覚えているのが、ところどころに喬太郎さんがくすぐりを入れるところ。

折角照明も落として(非常灯も消して)本格的な怪談話なのに。

自分でも言ってましたが、ほんとに我慢ができないんでしょうね。

なんにして、居眠りこいてしまったジブンには評価など書く資格はありません。

今度はそのようなことはないようにします。

帰りには川西能勢口で電車を降り、新町湯に寄って手術後初のお風呂屋さんに行ったのでした。
結構充実した一日となりました。

松の枝がかっちょいい、新町湯
松の枝がかっちょいい、新町湯

I returned to Mac again!


MacBook
MacBook ひゃっはー

ボクは本来Macユーザでした。

最初に使ったコンピュータがMacintosh。
Power Mac8100/100 でした。
96年ころでしょうか。

その当時はパソコンのポルシェなどと呼ばれておったかと思います。

その後Ḡ4などに変わり、多分10年くらい前にウインドウズに乗り換えました。

で、ずーとウインドウズを使い、そのマジョリティぶりに心地よさを感じて過ごしておりました。

しかし、iPhoneユーザとなり半分Appleに回帰したもんだから、なんか板挟み状態。双方の触媒としてGoogle先生のサービスを使っているといった塩梅の今日このごろでした。


さて、先日の入院で、いつもお世話になっている福井県のS氏がわざわざ来てくれました。

その際、お見舞いの一つとして持参してくれたのが、MacBook!!
MacBook5.1 OSもYosemiteで最新がインストールされてます。
十分に使えるマシンです。これをくれるってぇ!?
ほんとにいつもながらS氏は気前が良い。

気が引けるのですが、折角なのでありがたく頂戴し、バッテリーのみ交換したら順調に動いています。これを書いているのもMacBook。

ただ、キーボードがハングル仕様ということもあり、またウインドウズに慣れた身にはなかなか使いづらいところもあります。
それを若干ながら解決してくれたのが、やはりGoogle先生でした。
MacintoshでもGoogle日本語入力は使える!ラッキー。

これでスタバなんぞで作業することができるというわけですね。
といっても、大したことしないけど。なんちゃってノマド。

しかし、久しぶりにMacに触り、いろんなことを思い出し、いろんな可能性を発見してなんかワクワクしております。

療養中退屈しないで済みます。ありがとう、S氏!!

胃がん その後 1


アマガエル
そろそろ梅雨かな。カエルの声が聞こえる。
退院して5日が経ちました。

自宅でおとなしくしています。

どの程度おとなしくしていれば良いのか、ある程度動いたほうが回復は早いのか分かりません。

昨日は観たかった映画を電車に乗って観に行き、ついでに行きたい店などを少し回りました。
体の変化を見つつ。

映画くらいはずっと座ってるので良いだろうと思ったのですが、結構こたえました。

やはり、人間基本は食べることだとつくづく思います。

少し食べるだけで二時間ほど苦しい状況です。胃袋がほとんどないからね!健常時食べ過ぎた時の苦しさが続くわけです。

かと言って、食べないと元気も出ないし痩せてしまう。

数ヶ月間激ヤセするくらいは仕方ないとして、それが何年もというのはなんとか避けたい。
避けたいといってもどうにもならないのかもしれないけど。

今はまだポンコツになった自分の体とどう付き合っていけば良いのか模索しているところ。

時間が経てば・・・どの程度経てば調子は戻るのか、戻らないのか。


本日、病院から術後検査の第一報が入りました。

抗癌剤治療が望ましい、と(電話の又聞き)。

といっても、癌そのものはきれいにとれてしまっているらしい。

もしものときに備えての投薬らしいのですが、詳しくは本日から1週間後の初回外来で確認。

薬飲みたくねーよー。(王様の耳はロバの耳ー的な弱音吐き)

また、凹むよ。この1周間。

映画レビュー:ディストラクション・ベイビーズ


ディストラクション・ベイビーズ
公式サイトより転載

ある種の新人監督はタランティーノや三池崇史の影響か、極端な暴力描写に憧れる傾向がある。
と、考えるのは偏見か。

しかし、ハンパな実力では陳腐な暴力しか描けない。

この監督、真利子哲也は本物だ。

勿論、俳優の実力もあってのことなのだが。

観終わっての第一印象。リアル青田赤道。

そう、全く映画の本質を言い得ていないが、リアルに青田赤道が存在したらこんな感じだろうう。

菅田将暉が良い。超売れっ子だが、さもありなん。

柳楽優弥は間違いない。


 

何の説明もなく無茶苦茶な映画は進んでいく。

なんで舞台が愛媛県の松山なのか。 ???

でも、その設定もなんかリアルだ。

この田舎にこの気違いどもは存在しそうだ。

静の柳楽優弥に動の菅田将暉。二匹の気違いの対比が良い。

雄叫びを上げる気違いの演技よりも、殆どセリフのない柳楽優弥の気違いぶりの方が高度な演技を要求されるように思う。
しかも、後半柳楽優弥はサングラスをかけ、あの目ヂカラを封印してみせた。

サングラスの内から立ち上るような狂気は素晴らしい。

このような映画(テーマ)は70年代の邦画にも多く見られたように思う。
原田芳雄や松田優作あたりの映画として。
しかし、松田優作はどちらかというと、スーパーヒーロー。
等身大の柳楽優弥や菅田将暉の存在感こそは現代の映画と言える。

スマフォやSNSの使われ方がリアルなのだが、それもしばらくすれば時代を感じさせるものとなるのだろう。

胃がん告知 8


長かった(?)入院生活も今夜で終わり、明日の朝には退院です。

この2週間で思ったよりもたくさんの人達がお見舞いに来てくれました。
土日に多いのですが平日にもそれなりに。来てくれる時は結構重なってきてくれるので、幸いバッティングはありませんが、1日中対応するような日もありました。もちろん嬉しく楽しいのですが。

お見舞いに持ってきてくれるものも色々で、入院時よりもかなり荷物が増えています。明日が大変だ。

入院時に持ってきたものに、ノートパソコンがあります。かなり古いiBookなので、ネットワークもないところではDVDを見るくらいしか使えません。

で、映画を見ていたのですが、トムハンクスのロード・トゥ・パーディションの中で少年が本を読んで気を紛らわせるシーンがありました。
そういえば手術を控えた日々、自分も本を読んで気を紛らわせようとしたなあと…。
しかし、全く頭には入ってきませんでした。

で、手術後。手術自体は成功して良い感じなのですが、生体の検査結果がゴールデンウィークのしわ寄せで退院までに間に合いません。
ストレスの持続も限界で、このまま不安を抱えることに自己防衛本能が働いたのでしょう。
元々双極性障害なのですが、どうやら躁転してしましまったようです。ネガティヴなことが全く考えられません。

まぁ、良いのですが、躁は躁でこれもまた厄介なものなのです。

この文章も全くまとまりないし。

なんせ明日は退院だ。寝よう。

胃がん告知 7


1週間経過。
前回もそうだったけど、入院中というのは時間の経過が早いのか遅いのかわからない。

思いの外順調に治癒して行っているようだ。
今日は半分だけ抜歯してもらった。

今回は…
胃を上部1/4だけのこして摘出、腹部を20数センチ切った状態。
お腹そのものより、少しの胃と繋げた十二指腸が違和感ありあり。

手術の翌日には歩かされ、2日後には背中の麻酔の管が抜かれた。3日後には尿カテーテルが外され、4日後には腹部の浸潤液を排出していたチューブとバルーンが外されました。
中でも3日目と4日目の管抜き作業が痛くないんだが生理的に耐えられない感触でした。

病院レンタルの前開きパジャマもTシャツとジャージになり、ヤレヤレという感じ。

なんとか病院食はクリアしているけど、胃がないのに食べるのはなんとも言えず辛いものがある。
この膨満感はどこが感じているのだろう。
食後しばらくは痛いし。

関係ないが、古傷の腰の椎間板ヘルニアが悪くなっているのか、左の太ももがしびれてかなわない。

その他、眠れなくて困る。コリがひどいことが影響しているみたい。今日は眠剤を出してもらおう。

後は、最終に転移のないことが分かればありがたいのだけど…。

読書レビュー:殺人鬼フジコの衝動 限定版 【徳間文庫】


ジャンルでいうというとミステリーなのでしょうが、いわゆる推理小説というものではありません。

作者は後味の悪い小説を書くということでは定評があるとのことですが、後味というよりは冒頭からずっと気分の悪い題材とディテールでした。
にもかかわらず、読み進んでしまうというのは作者の技量と言って良いと思います。
嫌なんだけど。

時代設定が昭和ですが、発行部数からして若年層読者ターゲットにはそれほど問題ないようです。少なくともボクには違和感はありませんでした。

特に女と子供のエグい部分を濾過してみせるように描き出しています。一方男はエグいと言うよりはひたすらセコく情けない部分を。
性善説など鼻で笑い飛ばしています。

ホントになんでこんな小説を読み続けているんだろうと思いつつラストへ。

週末近くになると物語の進行が転調し、狂ったジェットコースターのように加速度を増します。

そしてエンディングへ。

胃がん告知 6


手術から4日が経ちました。
ずっと寝っぱなしなので、日にちや曜日の感覚が麻痺してきます。

初日は全身麻酔から覚め、思いの外正気を保っていたようです。
ICUで目覚めたこと時のことも比較的明瞭に覚えています。

何だか時間の経過が早いような遅いような。
手術前から、可能であれば翌日から歩いてくださいとか言われていたので、その通りにしました。
脊柱に麻酔が入ったままなので、割腹の傷もそれほど痛くはないのです。
むしろ、数日後の方がキツイ感じです。
そりゃ縦に20センチくらい切開して、胃を3/4摘出してるんですからね。

摘出した胃の写真を見ましたが、相当なサイズです。多分ミノ換算で20人前くらいあるでしょう。ここにアップするのは控えますが…。

10日に手術して、本日が14日。色んなチューブも抜けてきました。ベッドであまり動けず、逆に大きくなってきたうっとおしい痛みで作文も思うようになりません。これもリアルタイムの貴重な記録かと思い残しておきます。

胃がん告知 5


さて、本日入院です。

手続きを終えて、歯科検診。術後は口腔内が乾燥しやすく雑菌が繁殖しやすいために、念入りに掃除をしなければいけないということで。

そのあとは風呂に入って切る場所(お腹)の常在菌を雑菌する薬を塗るように指示されました。
それと、おへその掃除を看護師さんがしてくれた。オリーブオイルと綿棒で。

いよいよ明日胃袋を取ってしまうわけですが、上手くいくと2/3は残せるそうです。

で、残った胃袋にピロリ菌がいないかどうかの検査協力の同意というのを行いました。もっとも全摘してしまえはピロリ菌もクソもないんですけど。


しかし、しみじみと…。

当たり前だけど、生まれた時から一緒にいた胃袋とあと少しでお別れかと思うと、やはり寂しいですね。
いつも「腹減った」、「腹一杯」、と常に話し合ってきた相棒という感じで、他の臓器とは別格ですからね。

ということで、最後に無理して味噌らーめんとカツカレーを食べた上に病院の夕飯も食べたので、久しぶりに苦しい満腹です。

病気平癒のお守りをくれる人もいるし、知り合いの牧師先生も来てくれるし、もうあとは文字通りまな板の上の鯉でございます。

読書レビュー:バーという嗜み


漫画「BAR レモンハート」のチーフバーテンダーを務めていた著者のエッセイのような入門書のような著作。

一つ一つの章が短く、長さもバラバラであり、いかにもプロのライターの手によるものではないという感じ。
しかし、文章表現などは上手く読みやすい。ある程度添削などはされているのかもしれないが。

さまざまな知識は本物で、おそらくはほんの小出しにしている程度なのだろう。
是非著者の手によるカクテルなどを味わってみたいという気になる。

カクテルやウイスキー等の酒だけではなく、シガーや凝ったフードもコンパクトに濃密にまとめてあり、この一冊でまさにオーセンティックなBARにいる気分にさせてくれる。