月別アーカイブ: 2014年10月

国立民族学博物館 特別展 イメージの力


ものすごく久しぶりに、万博記念公園内の国立民族学博物館に行ってきました。 先日、てくてく銭湯 神戸長田ツアーの時に、酒席で偶然一緒になった、民博副館長の田村克己先生から招待券を頂いておりまして、やっと観覧しにいけました。

国立民族学博物館
黒川紀章設計 だそうです。

11:00くらいに行きました。行楽シーズンで晴天なのに、びっくりするくらい人がいない。

警備のおじさんが複数いるのですが、どなたもえらくフランクで愛想が良い。いろいろと説明してくれる。気持ちいいです。

特別展はこの写真の建物で、常設展示は左正面の建物。

まず、特別展から。

こいつらが出迎えてくれます。

国立民族学博物館
元祖本家のゆるキャラ

いきなりコシがくだけそうになる脱力感。完璧です。

こんなヤツらが際限もなく出てくるのですが、その中から特に気に入ったのきになったのをピックアップしていきます。

イメージの力
世界の仮面がずらり

先ほどのゆるキャラ三兄弟を含め、かなり水木しげるテイストです。

国立民族学博物館
すごいインパクトなのに、このどぉってことねぇよ顔が

これはアフリカの呪術用の人形で、全身が釘だらけ。かなりの人数に呪いをかけたものと思われます。

丁度先日、中島らもの「ガダラの豚」を読了したところだったので、非常にタイムリーな遭遇でした。

 

民博
かなりかわいい

メキシコのフーダ人形というやつですが、子供が作ったはりぼてみたいで非常にかわいい。この他にも、謀らずにナチュラルな可愛さを持ったプリミティブな民族アートが沢山あります。

今回かなり可愛い系のものが沢山ありました。海洋堂がガチャガチャシリーズにしたらヒットしそうなんですけどね。

みんぱく
mask in mask

これは仮面の外側が閉じて、一粒で二度おいしい的なものなんですが、構造的にウルトラマン怪獣のガボラの元ネタだとおもうんすけどね。

国立民族学博物館
イースターエッグ

非常にタイムリーなイースターエッグです。なんか最近、巷は仮装メインのハロウィンですね。

国立民族学博物館
アップにすると・・・

ホンマモンのイースターエッグはすごいです。もう、細密な模様がすごい。右端なんか伊万里焼と見まごうばかり。

そんな感じで後付になりますが、こちらは博物館では珍しく、フラッシュをたかない限り、自由に写真を撮ってオーケーなんです。博物館の報告がこれだけ写真を使ってできるとかないしね。


 

この特別展示だけでお腹いっぱいの満足なんですが、実はこの後、本館へ。無料で案内用の端末とヘッドフォンを貸してくれるのだけど、もうすぐに嫌になる。これを丁寧に全部聞いてたら、博物館が閉館してしまう。

ということで本館はへとへとになって観きれてない状態です。

あまつさえその後、元鉄鋼館(EXPO’70パビリオン)で開催されている「時代が求めた 1970デザイン展」というのまで観たのでへとへとでした。

しかし、久しぶりに行きましたが、まったく!!! 変わっていません。

みんぱくはお勧めスポットです。

街あるき&銭湯ツアー 姫路・白浜温泉


台風が近づきつつある10月11日。

姫路まで出かけてまいりました。プチ旅行。大阪で阪神電車に乗り換えて、列車はそのまま山陽電車が乗り入れて「白浜の宮」駅へ。

阪神梅田駅ではデーゲームがあるのでしょう。お昼前に大勢の阪神ファンと乗り合わせました。なんで土曜日の昼間にラッシュアワー (;´д`)トホホ… と思ったのですが、やはり甲子園に着くと一気に降りて行きました。

その後はゆっくりと座って旅情を味わえます。

直通特急を大塩駅で乗り換えて各駅停車で3駅目。

白浜の宮駅の目の前の路地奥に、第一の目当て、「澤田店」があります。古い大衆食堂なのですが、ホームページを開設したら、日本中からお客さんが来ているらしいです。

実はこちらのご子息とはお仕事で少しご縁があったので、ホームページ作成の経緯なども伺っていました。その店にやっと来ることができたのです。

澤田店
澤田店店内、もう、これ以上なく・・・

こちらが澤田店ホームページです。

残念ながら、後1.2年で地域再開発の為立退きになってしまうそう。行くなら今のうち。

澤田店から南へしばらく歩くと第一のお目当ての「白浜温泉」の煙突が見えてきます。

白浜温泉
銭湯というよりは、ガラス工場みないな。ジブリさんどうですか?
白浜温泉
輝く格天井
白浜温泉
陽光差し込む女風呂
白浜温泉
昭和三十二年から掲示される注意書き・・・
白浜温泉
拡大すると・・・時代を反映

熱いのが苦手なボクにはぴったりの温度でした。

お風呂もさることながら、こちらのおかみさんがとことん優しくて気さくで、話も面白い。

やはり客の減少が食い止められない。さすがに姫路まで2時間かけて通うことはできんしなあ。


さて、14・15日は「灘のけんか祭り」。名前は聞いたことあるけど、どんなものか全く知らなかった。

その案内もツアーガイドのジモティの方にしていただいたのですが、想像を絶するものでした。

岸和田と同じく、街全体がこの祭りを基準に時空間が構成されいているようです。

けんか祭り
「屋台」と呼ばれる神輿を見せて頂いた

この屋台をぶっつけ合って勝敗を決するらしい・・・。

詳しくはWikipedia

こちらも細かいところを。

女人禁制
女人禁制

大相撲と同じ「伝統」ですね。婦女子はこの倉庫に入ってはいけないし、屋台に触れてもいけないそうです。田嶋センセイとか上野センセイには黙っておきましょう。限定された地域には、まだまだこのような風習が残っております。

折しもノーベル平和賞をマララさんが受賞したニュースと重なったもんで、少し微妙に考えたりしました。

マララさんの場合はジェンダーフリーも説得力が違うわけなのですが、その運動は全力で推進していくべきではありましょう。

この「女人禁制」を批判しても、仮に撤廃しても、何かが生まれるとは思えませんし、良いんじゃないでしょうかね。

これからの祭りにはギャル神輿なんかもあるわけだし。

「男子禁制」だってあったほうが良い。


けんか祭りのメインスタジアムは八幡神社前に会場があり、鉄骨でサッカー場みたいな観覧席が設けられていました。

それとは別に、そこから北の方に向かったお山にもさらに大きなスタジアムが。

国道を挟んで2つの丘が段々畑のように観覧席になっています。当日は桟敷席となり、結構な席料金ですが、当然なかなかとれるもんではないらしい。

灘のけんか祭り
段々畑にしか見えない

もう、これは祭りというよりはコロッセオですね。ラッセル・クロウとか出てきそう。

向こうの段々とこちらの段々の間を通っているのが国道なのですが、当然祭り当日は通行止め。

しかし、明日は台風が直撃っぽい。どうなるんでしょうかね。

 

見所満載の姫路ツアーでした。

 

生誕100年記念 タカハシノブオ☆


タカハシノブオ☆ 叫ぶ原色・ものがたる黒
タカハシノブオ☆ 叫ぶ原色・ものがたる黒

新聞の紹介記事で初めて知りました。

「(神戸)新開地のゴッホ」と呼ばれた画家です。

作品のイメージや、生涯不遇であったことが近似であるということでしょう。

阪神電車岩屋駅。ここはいつも兵庫県立美術館に行くために降りる駅です。駅の看板にも兵庫県立美術館前と書いていますが、決して「前」ではない。そこそこ歩きます。

震災復興の都市計画により、ものすごく綺麗な町になっているので、歩いているだけでも楽しい。

こんな寄生獣的なのもあるし。
こんな寄生獣的なのもあるし。

今回は兵庫県立美術館より手前にある「BBプラザ美術館」。ビルの中に入っている小さな美術館です。

スタッフ含め好ましい美術館でした。


 

作品群はゴッホよりも抽象的なものが多いように思います。

塗り重ねた絵の具やクレパスを金釘流に削りとって文字を書く技法が多く見られます。中にはタイトルそのものを同様に書き込んでいる作品もある。

パンや果物ではなく、焼き鮭や瀬戸内・大阪湾で穫れたであろう魚を多く描いているので親しみが増します。

彼も又、戦争によって散々に翻弄された画家です。そうでなければ又違った画業の人生を歩んでいたであろうことは想像に難くありません。

そういう点では映画「ひまわり」や「犬神家の一族」を連想させます。

戦後の新開地で沖仲士をしていたそうですが、それはそのまんま東映やくざ・実録路線と重なるヤヴァイ地帯シチュエーション。

その街の路上に座り込み、異常なテンション(この言葉は緊張であり、感情の高まりを表すものではないが、この場合は当てはまる気がする)を持って絵を描き続けた、情熱はゴッホに比して劣るものではないでしょう。

ほぼ、70年代以降の作品ばかりが展示されていましたが、古いものは売ってしまったり、散逸しているのかも知れません。

タイトルも半分くらいが「無題」。意識したものなのか、タイトルを付けるのが面倒だったのか。

神戸の街を描いたものは、暗い中にも深い神戸愛を感じさせます。


 

この画家は、1994年に明石の老人ホームで一生を終えるのですが、ゴッホよりもかなり長い年月絵に打ち込めたことは幸せなのでしょうか。

戦争により散々に地獄を見、又、阪神淡路大震災による地獄の前年に他界したことはせめて幸せだったかも知れません。

映画レビュー ルパン三世


オフィシャルサイトより転載
オフィシャルサイトより転載

限りある時間とお小遣いを後悔なく使うためには、観るべき映画を選択する力を養わなくてはならない。
何十年繰り返し心に刻んだ事か。

原作やリメイク作品をOriginal作品と比較して論じることには慎重です。
それほど意味があることとは思えません。

今回も期待はせずに観に行きました。

特に監督が北村龍平ということで。
…やっぱり今回も見事にスポイルしてくれました。


 

劇場は空いていたのに、ボクが真ん中あたりに座っている1列は全部埋まっているので、途中退席出来ませんでした。辛かった。

観終わってから気づきましたが、これが「今」のルパン三世なんですね。

ボクの求めているものは何も無かった。

少なくとも、ファーストシリーズのイメージしか持っていない、自分のような偏狭なファンは観るべき映画ではなかったということです。

そういえば、最近のテレビ?は名探偵コナンと共演(アベンジャーズ的?)してるんですよね。 ( ´Д`)=3

モミアゲのないルパン@小栗旬は悪くなかったし、キャスティングは特に云々する気はない。
頑張って胸を強調している黒木メイサもそれなりにいいです。

自分の中では浅野忠信の黒歴史になったくらいです。

やはり問題は北村龍平。確実に観に行かない映画のキーパーソンになったので、そういう意味ではひとつ賢くなった。

  1. やっぱ、ルパンなんだから、まずは欧州をメインにしてほしい。五エ門の設定が問題あるのであれば(Wikipediaにそのようなことが)、最初から企画として成り立ってないよ。
  2. なんだか・・・「ハリウッド風・アップのみ・編集・ぶつ切れアクション(技斗)」は何とかしてくれ。せめて五エ門の立ち回りくらいはロングで撮ってほしい。ロングで見せられる技倆のある俳優を。
  3. トレーラーでは英語喋ってたやん。なんで全編吹き替えなん?健さんの「ゴルゴ13」か?すごい騙された感。
  4. 台湾・香港・韓国の俳優多数出演て必要か?特にラスト近くに唐突に出てくる漫画みたいなヤツ。

 

全体的に最近のTVシリーズを無理やり実写化したようなイメージですね。全編吹き替えなんで、特にそういう印象です。

いっそ、流行りのダークヒーロー路線で作った方が良かったと思うよ。

ファーストシリーズの、軽薄な中にもキリキリするような緊張感を持った「劇場映画」が観たかった。
R15でいいじゃないの。

他に観たい映画いっぱいあるのに。後は己を責めるのみ。

★☆☆☆☆