月別アーカイブ: 2020年3月

読書レビュー:「私が日本に住み続ける15の理由」


ケント・ギルバートさんの著書は3年ほど前に読んだ
儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」があります。
本書の内容は(当然ですが)この↑の本の内容と同じ姿勢・切り口です。
アメリカ人として、愛する日本が間違った方向に進んでいくのが耐えられないので声を上げている、ということです。
こちらの書評を読んでいただければ、感想は大体同じかなと思います。

今回はさらに丁寧に具体的に日本愛を語っておられ、それはそれでありがたい。
首肯する箇所も多々ありました。

広く世界を見聞し、その上で50年住んでいる日本を観察する。
そこは認めますが、現在の安倍晋三総理大臣に対して完全なリスペクトを表明しています。
さすがにそこは引いてしまいます。

折しもここ数日で森友問題が再燃し、かなりやばい事態にもなっているし、新型コロナに対する施策がかなり叩かれている状況でもあります。

もう、ケントさんの本にお金を払うことはないと思います。
 
★★★☆☆

 

読書レビュー:「藻屑蟹」暫く追いかけられそうな作家が現れた。


軽い気持ちで読み始めた。

赤松利市という名前をなんで知ったのだろう。
誰に勧められたわけでもないのは憶えている。
新聞広告だろうか。
多分、「62歳の新人で元ホームレス」というような惹句が琴線に触れたように思う。

色々な作品の紹介を見ていると、西村賢太や車谷長吉のような無頼なイメージを感じた。
かなり好物だ。

最も、赤松先生はTwitterをしておられ、フォローをしたらすぐにリプライ付きでフォロー返しをしてくださった。
単純なので、それだけでファンになってしまう。

最初に「純子」を読み始めた。
敢えて理由は書かないが、最初の方で挫折して少し寝かせておこうということになり、デビュー作でもあり、第一回大藪春彦新人賞を受賞した本作を手に取ることになった。
手頃な長さでもあり、又、文章のリズムが良く(少なくとも自分には)どんどんと読み進められる。

が。

読後にはずっしりと腹に鉛を感じることになる。

もちろん内容は書かない。

読み終えてすぐにKindleで次の作品を選び、ダウンロードすることになった。
現在、かなり精力的に創作をされているようなので、楽しみである。

読書レビュー:「僕は、死なない」


半分くらい読んで挫折しました。

ステージ4の肺がんになり、その後全身に転移。

ひたすら、治療法を模索する記録。
読んでてしんどいです。

まさに今、ガンになり、必死で治療法を探している人には良いと思います。

私は胃がんでステージ2(最初は3と言われてましたが)で胃の3/4を摘出し、
その後抗癌剤治療を行い、現時点で術後3年半。
5年の経過観察中。
抗がん剤服用中はそれなりにつらかったし、その後お約束みたいに
腸閉塞で再手術。また、死にかけた。

でも、なんか。
こんなに必死に治療法を探す気にはならなかった。
自分が変なのかもしれないが。

著者は抗がん剤治療を頑なに拒否したり、なんか結構呪術的なものに頼ったり。
無様さをそのまま詳細に記述しているのはすばらしい。
必死に生きようとする姿勢は全く正しい。

で、結局、死の淵から生還されたのだから、結果オーライです。

著者は非常に優秀なビジネスマンであり、ボクシングのコーチもしておられる。
わたしも一応ボクシング経験あり、ダメダメな社会人ではあるけれど、今ひとつ
シンパシーは持てないのでした。

ごめんなさい。

映画レビュー:「パラサイト 半地下の家族」


リーフレットより
アカデミー賞を獲る前から注目していて、絶対に観に行こうと
思っていたけど、いざ受賞すると、「まさか!?」という
感じでちょっと萎えてしまった感がある。
ドメジャーを忌避してしまう天の邪鬼なだけなのだが。
 
ポン・ジュノ監督好きだし、ソン・ガンホも大好きなので満足。

アカデミー賞と獲るということは、今後のあり方の方向付けと
可能性を拡大させるということで、(マーケティング)本当にすばらしいとは思う。
反面、米アカデミー賞については、どうも権威としては
いまいちありがたみを感じることができない。
 
にしてもカンヌ パルム・ドール。
アカデミー4部門は快挙というしかない。
ここのところ、韓国映画のレベルは安定感が半端ない。
 
実のところ、「ん?」と思わないところがなくもなかったが、
2時間以上、まったくダレ場がなく、ラストまで引っ張っていく
その力量はすごいというしかない。
「映画力」と評したい。
スタッフ・キャストの総合力だ。
 
この映画は特にネタバレ禁止という注意書きがあるので、
あまり具体的には書けない。
 
あと、超個人的にパク・ソダムが可愛かったなと。
なんか「福岡」という映画に主演してるみたいなので、
観てみたいです。