月別アーカイブ: 2013年4月

読書レビュー:渥美清―浅草・話芸・寅さん


渥美清ほど没後に沢山の評伝が書かれた芸能人はいないのではないでしょうか。

あまりの人気と孤高の芸人としてのミステリアスな部分が、いろいろな掘り下げられ方をするのかもしれません。

その割には同じ芸人で、この人は渥美清のフォロワーだな、と思える人がいないようにも思えます。

まあ、比較されるのはやぶ蛇になるのでしょうが。

沢山の渥美清本というか寅さん本がありますが、本書はなかなか読み応えがありました。

渥美清の作られ方、育ちから語られます。

学歴詐称(本書によると)。Wikipediaにも中央大学中退と書かれていますが、実は小学校しか出ていません(だそうです)。

貧乏ではありますが、両親共インテリ層であり、夭折した実兄も秀才であったようです。

そして、病気から学校の勉強について行けず、グレて本物のヤクザになったあと、テキ屋にもなります。

任侠と新農の両方を経験しているのです。

寅さんシリーズ珍しいシリアス路線(?)の「男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎」で、客演に東映ステゴロNo.1とも言われた渡瀬恒彦を向こうに回して格上の雰囲気を漂わせていたのもうなずけます。

兄が秀才であった事実は、「男はつらいよ」第一作の冒頭ナレーションでも出てきます。

渥美清はリアル寅さんであったようですね。
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本書では渥美清の話芸の素晴らしさにスポットを当て、繰り返し称賛しています。

もちろん、それはその通りで今更言うまでもないことなのですが、ボクは常々それに加えて渥美清一流の所作が加わると思っていました。

これは軽演劇のキャリアから来ているものなのでしょう。

軽演劇出身共演者の森川信や佐山俊二にも同じ匂いは感じるのですが、渥美清はとりわけ品が良く粋を感じます。

例えば、何気ない所作なのですが、何かひらめいたような時に自分の右手の甲を左手の平に小気味よく打ち付けて「パチッ」と音を立てる。実はコレが好きでボクは密かに真似したりしてるのですが。

こういう細かな動きを話芸と併せて行う所が比類なき渥美清の芝居だと思います。
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イラストを南伸坊が担当しているのですが、控えめで良い感じです。

普通、渥美清の似顔絵というと、自他共に下駄と形容する四角の輪郭なのですが、今回南伸坊は丸顔というか、曲線で書いています。でも、確かにこれは一番元気だった頃の寅さんだなあと感じさせる良い絵だと思いました。

映画レビュー:女の子ものがたり(映画版)


ポニーキャニオン
発売日:2010-03-03

原作とそれを映画化したものを比較して、貶す人がいますが、ボクはあまりそういうことはしません。

原作は原作で映画は映画と思ってますので。

でも。

これはいただけなかった。

原作を読んでなくても、納得できなかったかもしれない。

深津絵里がいくら部屋を取っ散らかしてても、申し訳ないが生活感というものを出すことはできてない。

本人がキレイ過ぎる。これは褒めてるのだろうか。微妙な感想ですね。

主人公の漫画家ということで、一応サイバラ先生がモデルということで良いのでしょうか。

まあ、サイバラ先生役はキョンキョンだったり山田優だったりするので今更その件に関してはなにも言いませんが。

それはともかく。

少女から高校生時代の主人公含む女の子3人組。

原作でも汚くてバスに乗せてもらえないかも、とかいうエピソードまであるんですが、ムリありすぎ。

どこから見ても美少女。

まあ、森迫永依は多少ファニーフェイスなんですが、それでも可愛すぎるし。

3人とも児童劇団のお姫様。

ワルガキ感も汚さも微塵もない。

原作ではニオイまで漂ってきそうな勢いなのに。

さらに高校生時代に至っては、こんな子らがクラスにいたら学校中で大変というか迷惑というかというレヴェルの美少女3人。

主人公・大後寿々花はハリウッドレヴェル(SAYURI)の美少女だし。

銭湯で3人で寝てるシーンなんか、どこのアイドルグループやねん、というか。

いくら映画だからって、ちょっとキレイキレイしすぎでしょう。

可愛いのに観てて興ざめという変なジレンマ。

まあ、それでも原作を映画用に別解釈した作品としては仕方ないですか。

ラスト近くの原作にはない喧嘩シーンで「んー、まあいいか。」と思えてしまいました。

この作品にもサイバラ先生はヒチコックばりに出演しています。

サイバラ先生的にはOKなんでしょうかね。

一旦OKを出したら、あとはどうなっても知らないし構わないというタイプの作家がいます。

水木しげる先生とか。サイバラ先生もその口でしょうか。

多分そうでしょう。カネになれば。

いや、非難しているのではありません。それは正しいし好ましいと思います。

・・・にしても、なあ。

もすこし何とかならなかったかなぁ・・・。やっぱり。

読書レビュー:グーグル化の見えざる代償 ウェブ・書籍・知識・記憶の変容


大学教授の著書なので、仕方ないっちゃァ仕方ないのですが、どうも書き様が徒らに小難しいように思います。

無駄に冗長な比喩は読んで理解しているうちに何の話だったか忘れてしまうほど。

もちろん、それは読み手である自分自身にも問題はあるのですが。

にしても、結局大したこと言ってなかったりもするような気がしないことも、、、(弱腰)

優しいことを難しく、難しいことをさらに難しく書いてる感じがします。

タイトルの示すとおり、大意はGoogleの毀誉褒貶であり、持ち上げて持ち上げて落として、の、繰り返しっぽい。

我慢して半分は読みましたが、あとは流し読みしようと思います。

ネット選挙解禁について 1


ネット選挙が解禁されました。

人に詳しく説明するほどの知識はないけど、いろいろと問題があるのはわかります。

ネット選挙はまず大別にして

【(被)選挙運動】

【投票】

に分けられると思います。

そして現時点での最も大きな懸念は、選挙・被選挙に携わる双方のリテラシーの問題でしょう。

これはアメリカの例を見るまでもなく、導入された以上、優れたイノベーターが完全にアドバンテージを得ています。

最も顕著なのはTwitterにおいて、現時点で100万人以上のフォロワーを集めている橋下さんです。

相変わらず石原さんとは微妙に歩調がとれていないようですが。

それらの先行者と比較して「ITより毛筆の方が・・・」などと悲しいほどアサッテの方角発言をしている海江田さんもいるようです。

ITは取りも直さずツールです。

必要以上にビビる必要もないし、細かなことを理解する必要もない。

意味する抜本的な意味と進化のベクトルさえ理解していれば、あとは信頼できるオペレーターにまかせておけば良いのです。

IT諮問委員会(コーディネーター)がしっかりと機能していれば、それでOKです。

Twitterなど口述筆記+リライトがあればどうにでもなるのですから。いや、むしろこれだけ失言が多いセンセイ連中ですから、フィルターはマストでしょう。

多分、センセイたちはお祭り騒ぎですが、そこに群がるIT企業も何とかしなければなりませんね。

またもやSEO(検索エンジン最適化)業者が暗躍するのではないでしょうか。

SEO自体、個人的にはウンザリする分野でもあります。

「邪悪になるな」というグーグルが、対《米・中》で邪悪かどうかはわかりませんが、えらく柔軟な対応をしているであろうことは想像に難くありません。

それを承知でボクはグーグルの公平性はある程度信じていますし、願ってもいます。

グーグルの検索アルゴリズムは、それでもユーザの利益に向けられていると。

SEO(の業者)はその『己のフィールドですべてのイニシアチブと権利を握っている、世界一の頭脳集団』の裏をかくことに躍起になっています。

勝てる見込みはありません。

でも10000vs1でも良いのです。獲物を食っているライオンの一瞬のすきを突いて、一欠片の肉をついばむことができれば、ハゲワシ的にはOKなわけです。

そう、ほんの一瞬の得点でも。

それが商業的SEOであり、選挙時にもそれは求められるでしょう。

言うまでもなく、グーグルも各種SNSも民間企業。

インフラの管理者がこれまでの官から民に移行している点が重要です。

これもひとつのアベノミクス効果と言えるかもしれませんが。

国レベルでの影響が出るわけですから、IT業者は今以上に必死になります。

ズルいものが勝つ価値観のIT戦争は本当に嫌だし、何らかの規制が必要だと思います。

まるで公共工事の談合のような事が行われる気がしてなりません。

現在言われているメリット・デメリット以外にも、ほんとうの意味でのフェアな選挙が実現するように。

結局広告宣伝費を多く持っているものが有利にならないように。

エンジニアレヴェルでの優位性でももなく、政治家個人の資質が反映されるように。

ここにこそ若い有能な力が活かされればと思います。

なんか、優等生的にまとめすぎたと思いますが・・・、選挙投票する側の取組については、又改めて考えたいと思います。

猪名川のめざし
猪名川のめざし

閉店:石屋川 福龍門


ずーっと行きたかった、気になっていたお店。

二号線沿いでシズル感満点の外観だったお店と「刀削麺」の文字。

御影公会堂の地下のレストランに行こうとおもったら、車が一杯だったので、なんとんなくここになりました。

やっとこれたと思ったら、閉店のお知らせ∑(゚Д゚)ガーン

しかも閉店は明日21日。

なので1日だけの告知ですがお知らせします。

めっちゃ旨かったので、良かったら行ってください。

兵庫県神戸市灘区徳井町4-1-2

モチモチ麺でかなりのボリュームあります
モチモチ麺でかなりのボリュームあります

トッピングの麻辣。山椒が効いてて旨い。

残念なのは、麺を削るパフォーマンスが店頭なのであまり見られなかったこと。

移転するのかどうかは聞きませんでした。

ファインダー覗かずに撮りました
ファインダー覗かずに撮りました

★★★★☆

100均当たり情報:ペットボトルホルダー


しつこく寒かったりする日が続いていましたが、大阪はかなり暖かく(時として暑く)なってきました。

今が自転車移動が一番ラクな季節です。

これからは暑くなってきます。

そんな時のために、我が愛車にペットボトルが付けられたらなあと思って探していました。

折りたたみのちっこいやつなので、あまりつけるスペースがない。

変に付けると折り畳めなくなるし。

ということで、やっといいのを見つけました。

黒で揃えられた、ラッキー
黒で揃えられた、ラッキー

このボトル以外の部分のみで、非常にシンプルです。

大体のホルダーは筒状の本体に入れるか、ワイヤーフレームで固定する形なのです。

こいつはボトルの首を引っ掛ける形。

ベルトに引っ掛ける方法と、この写真のようにマジックテープで付ける方法があります。

取り外しも楽だし、ペットボトルがないと、ほとんど邪魔にならない。

愛車は100均のお陰でドンドンとドレスアップしていきます(^_^)v

※購入ショップは箕面 ビーバーワールド内 FLET’S

神大・同志社大のUSJ騒動


早速、名前・顔写真・経歴・彼女・・・まで晒されているようです。

同様な反応は大津のイジメ(暴行致死)事件のケースも記憶に新しい。
(この事件については担任教師の処分が不十分だと思うのだが)

まず、この「人と違うことをして、目立ちたかった」という初志は達成できた、主犯(!)格の神大生。どうするんでしょうね。

きついよ。

せっかく、神戸大学というブランドを手に入れたのに。

学校側は処分を考えてるとのことだが、当然でしょうね。

勉強・テストはできるんだけど、これをこうすればどうなるかという、単純な事がわからない人のようですね。

ご丁寧にブログに事細かに記録発表して。

もう逃げられません。

ネットの情報をすべて削除することは不可能です。

ほとぼりが冷めた時分に就活しても、それなりの会社ではムリでしょう。

身内企業とかではない限り。

名前を変えるとかしても、ムリかもしれない。

とりあえず、Facebookを例にとると。

これまでの自分のつながりを全て切ることはできません。

過去のない人間を雇用するところはない。

Facebookでは友達の数が評価対象にもなりますし、ある程度の数が繋がっていくと、当然賞罰にもいきつく。

そして、現在Facebookからのエントリーしかできない企業もある。
(この件に関しては稿を改めないといけないが、多数のSNSの中で日本におけるフェイスブックの怖さは特筆すべきものがある。先行者利益・既得権益の部分もあるが、一人Facebookだけが信用を与えられた特別なものとして認識されているようだ。Facebook上の生死は実生活の生死に準ずる危険性もある。)

2ch youtube 各種ブログ SNS 無限につながり追いかけられる。

逃げ切ることは不可能。

www(World Wide Web)の言葉通り、逃げ場所はないでしょう。

だったらどうするか。

逃げずに、徹底的に向きあうしかないと思います。

受け止めて、ディスアドバンテージを受け入れて進んでいくしか。

さらには、風車の理論(c:A.猪木)。

確定マイナス評価を逆転させるには。

例えば、出禁になったUSJに客としてではなく、ボランティアスタッフとして協力する。土下座してでも、頼み込んで。

半年でも一年でも、休学してでも園内の清掃活動などを行うとか。

できれば首から「Idiot」の札でもかけて。わざと目立つのもベターかも。

偽善と言われようと、罵詈雑言にさらされようと、半年間続けていれば許されもするし、うまくいけば評価は逆転します。

幸い、今回はけが人や死人は出ていません。

そして、面白半分の威力業務妨害や窃盗(万引き)が被害者にとってどれだけのダメージになるか、身を持って分かるでしょう。

さらに各大学のブランドを汚したことへの償いとして。

しかし、この当事者の顔写真などを見てると、どうもそのようなタマでもないようには思いますが。

ヘタ打った後悔はあるでしょうが、反省はしているかどうか・・・。

壮大すぎて、まずどうしていいのかわかりません
壮大すぎて、まずどうしていいのかわかりません

まぼろしのうどんを求めて


タイトルは釣りね。

なんとなくyoutubeを見てて、このページを見つけたのです。

懐かし自販機 Japanese Nostalgic Vending Machine

ものすごい仕事量ですが、まだまだ一部しか閲覧していません。

うどんの自販機がものすごく懐かしくて、見ているうちにめちゃめちゃ食いたくなりました。
でも、ほとんどが遠方のはっきり言って田舎のドライブイン併設の自販機コーナーとかなのです。

探してみると、とりあえず、一軒見つけました。

大阪にはすでにないようで(あるかもしれないけど)、神戸市東灘区にあるとのこと。
大阪(豊中市)からだと、芦屋市をちょいと越えたところなので、それほど遠くはなさそう。

ちょっと昼飯を食いに出かけました。

場所はこちら  兵庫県神戸市東灘区深江浜町110−2

R43を西に向かい、深江の交差点を左折。橋を渡ります。


大きな地図で見る

倉庫街の人たちの憩いの場所になっているよう。

お昼すぎに到着したので、最早お昼休みは過ぎている。誰もいない。

お店の前にテーブルとベンチが並んでいます。

この左側にも自販機がずらーり
この左側にも自販機がずらーり

さっそく買ってみます。

天ぷらうどんと天ぷらそば
天ぷらうどんと天ぷらそば

大体、250円〜300円が相場なようで、こちらの230円というのは破格値ですね。

湯切り音に続いて、ガッコーんと出てきます。その間約25秒。早っ。

でたーって、シンプル過ぎんか?麺の下にいろいろとを期待
でたーって、シンプル過ぎんか?麺の下にいろいろとを期待

感想は・・・

まあ、予想通り。それ以下でも以上でもなく、感動もそれなり。

そう言えば、こんな味だったかな。

さらに言えば、ボクの思い出の自販機はこのタイプではないのです。

黄色の自販機。ネットで探すと、すぐに見つかりました。

こちら

こちらのうどんの方が豪華(w

湯煎・湯切りが足りないかもしれない。ちょっとぬるい。期待どおりのチープな味わいの出汁です。

しかし、結構売れているにも関わらず、麺の一部が乾いてる。

それが逆に歯ごたえになって旨かったりするし。

「相手がワルツできたらワルツで踊れ。ジルバできたらジルバで踊れ」と言ったのはニック・ボックウィンクルだったか。

ファスト&ジャンク。

ジャンクといっても、特に何が添加されているというほどでもないと思います。

天ぷらは最初から最後まで何の天ぷらというのがわからない逸品。

つまり、衣以外の食感や味がない。エア天ぷらともいうべきブツでした。

どっちにしても、傷んでいた場合はきつねのアゲの方がこわいです。殺傷力高いです。

全体的にこんな味だったよな、確か。うーん、学食的な味わいでもある。

そして、強風の中客はボク一人だ。

いつもはよく噛んで食べるのが遅い自分なのだが、なぜか、ゆっくり食うという事ができない。

これはそういう料理なのだ。

忘れた頃にかまぼこがでてきました
忘れた頃にかまぼこがでてきました

これだけ空き容器があるのだから、やはり結構売れているんでしょう。

ちなみにこの容器は再利用されるのだが、その事は敢えて考えないようにしたい。

自主規制
自主規制

さて・・・3分くらいで食い終わって・・・まわりにはなにもない・・・帰ろう(´・ω・`)

無駄に天気が良い。いや、これで曇天だとやりきれないかも・・・。

達成感と言ってさらになし。

読書レビュー:女の子ものがたり


サイバラセンセのちゃんとした(?)読み切りの漫画作品としては、最高傑作かなと思います。

「いけちゃんとぼく」とかは漫画作品というよりは絵物語・絵本に近いような。

しかしまあ、そんなジャンル分けは対して意味は持たないと思ってます。

自分が西原作品を網羅してるわけではないですが、これまでは「ぼくんち」が好きでした。

それにしても、映像化がかなり多いですね。サイバラ作品は。

まさかの「毎日かあさん」TVアニメもありましたが。

大体は実写映画。

「パーマネント野ばら」
「ぼくんち」
「毎日かあさん」
そして
「女の子ものがたり」

この中で映画を見たのが「ぼくんちだけなので、残りの出来栄えも楽しみ。

本作はかなり筆者の実体験に基づいたサイバラヒストリーみたいな感じがします。

語られるエピソードがこれまでにもあちこちで出てきたものだし、実体験として語られてきたものも沢山あります。

その他のカラー作品によく見られる水彩の淡い色彩で描かれる、超リアルな女の子の実態。

アホでヘタレな女の子なんだが、年頃になると、なんとなく上手に「女」を演出できるようになっていくのですね。

田舎=純朴というこれまでの図式を破壊し続ける設定は、正味のところで勝負し続ける西原理恵子の揺るぎない切り口で、誰も否定することができない部分です。

田舎でも都会でもないところで生まれ育った自分としては、そのような田舎のエグさをいつも再認識させられます。

人間についても、本当に嫌な嫌な部分をこれでもかと抉り出し、それと対比させて、それでも捨てたもんじゃないよというメッセージも見えてきます。

この間、朝日新聞上で西原理恵子についての連載がありました。

これまで語られてこなかった現実の西原さんでした。

彼女の強さと才能には全く脱帽せざるを得ません。

どこまで本気なのかと思っていた高須センセとの結婚も、一番大事なのは子供であり、高須センセはいつでも切れるというような意味合いの事を言っていました。

繰り返し語られる金の話もペン一本でここまで上り詰めた西原理恵子だからこそ重みがあります。

多分、放っておくと前のめりにつんのめってペンを持ったまま絶命してしまいそうな気もしますが、それにブレーキがかけているのが前夫カモちゃんであり、子供以外の拠り所として高須センセを選んだのかもしれません。

箕面銭湯 百楽湯


箕面市は池田市と並んで大阪府でもかなり納税額の多い市です。

つまりお金持ちが多い。

功成り名遂げた芸能人が家を建てる確率が多い。

なので、もはや銭湯というのは存在しない。

これは他の市町村でも同じですが、銭湯そのものが絶滅危惧文化です。

箕面市は箕面温泉スパーガーデンが有名であり、駅前には最近足湯もできました。

その他にはスーパー銭湯もあります。

しかし、銭湯にいたっては・・・。

阪急箕面線の駅に直結する市場には今でも銭湯のコンクリート煙突に「階上スーパー温泉」の文字書かれ、その名残を留めているだけです。

これですが、詳しいことは解りません
これですが、詳しいことは解りません

だけど、実はあるんです。

知る人ぞ知る、銭湯が。

前から行きたかったのですが、つい行きそびれて本日になりました。

自宅からは1.5kmほどあるので、歩いて行くには億劫な感じ。

なので、愛車の折りたたみ自転車で。

阪急電鉄箕面線は小林一三が鉄道敷設に加えた住宅地開発を行った最初の地。

だからそれなりの歴史があります。

あまり区画整理できていない住宅地のどまんなかに件の銭湯はあるので、迷ってしまいました。

こんな時、心を入れ替えたグーグルマップのアプリは頼りになりますねえ。

車も通れない道を案内してくれたので、すぐに着きました。

この佇まい。枚方・寝屋川あたりならこういう銭湯も結構あるんでしょうが。
この佇まい。枚方・寝屋川あたりならこういう銭湯も結構あるんでしょうが。

表には薪が積んであるので、これで沸かしているのだなあと実感します。

自転車を停めて暖簾をくぐります。

一応、下駄箱に靴を入れて木札を抜こうと思ったら抜けなかったので、ま、いいかとそのまま・・・
一応、下駄箱に靴を入れて木札を抜こうと思ったら抜けなかったので、ま、いいかとそのまま・・・

脱衣場はもちろん年季はいってます。

25年前の古手川祐子や荻野目洋子のポスターが出迎えてくれました。

ポスターを留めているサビサビの画鋲が哀愁を誘います。

しかし、番台のオバちゃんが目の前に置いて見ている薄型テレビがイマイチ空気読んでませんね(;´Д`)

便利なものはなにも期待してはいけません。

ドライヤーもありません。飲み物もありません。

テレビではプロ野球中継が放送されていますが、あまり長居してくつろぐ空間でもないようで、風呂が済んだ客はとっとと帰って行くようです。

この銭湯は営業いしているだけで良いのです。

浴場に入ると、先客の年配が3人ほど。

多分、近所の人で自宅に風呂がないということは考えにくいので、好きで入りに来ている常連さんなのでしょう。

風呂場は20坪くらい。ニ槽でぬる湯と熱湯に分かれています。熱湯は深くなってます。

熱いお湯が苦手なボクはぬるい方でまったりしました。

Hot&Coldのカランセットが8組。そのうち3つほどはシャワーがなかったり壊れていたり。

そして、椅子が4つ。つまりカランとセットにはなっていないわけです。

もっかい言うけど、この銭湯は営業してくれてるだけで値打ちなんです。

ぬる湯で寝転んで見上げると、かまぼこ型の天井は水色のペンキがボロボロのハゲハゲ。

カランの上の鏡にはスポンサーの店舗の名前と電話番号が書いてあるけど・・・多分、すでに営業してないだろうなあ、ほとんど。

少ない客は全部上がってしまって、ボクの貸切になりました。

ふと見ると、4つしかない椅子は全部キレイに隅に並べられて、洗面器もその上に伏せられています。

さすが、パブリックな場所に土地柄を表しているのでしょうかね。

上がってもすることないので、ボクもそそくさと自転車に乗って帰路につきました。

うーん、手がかなりカルキ臭い。

最後にも一度言いますが、この銭湯は営業してくれてるだけで御の字の箕面市唯一の銭湯なのです。