月別アーカイブ: 2019年1月

映画レビュー:「バジュランギおじさんと、小さな迷子」 ひたすらかわいい!


バジュランギおじさんと、小さな迷子
オフィシャルサイトより加工転載

ここのところ、インド映画を観る確率が高い。
別に故意に選んでいるわけではないのですが、公開されるラインナップに惹かれる作品が多いのだと思う。

しかし、「バーフバリ」「ガンジスに還る」と必ずしも満足度の高いものではありませんでした。

今回は当たりです。

不勉強で内容をよく知らないのですが印パ戦争を下敷きにしています。
非常に根の深い深刻な内容をお馬鹿なコメディに仕立て上げた快作です。

さらにロードムービーの要素もあります。

しかし、なんと言ってもこの映画の主役はムンニー(シャヒーダー)を演じた子役の可愛さ。もう、奇跡の可愛さです。
特に唖者を演じており、肯定を伝える際の手を上げて何度も頷くところが最高に可愛い!
よく、子供と動物には勝てないと俳優が言いますが、そのとおりですね。


インド(ヒンドゥー)・パキスタン(イスラム)の宗教対立。
そしてインドの根深いカースト制度。貧困問題。

これらを包括して、物語は進みます。

しかし、そこはインド映画なんで、随所に歌と踊りが盛大に繰り広げられます。
この内容でそれは必要なのかな?ま、必要なんでしょう。インド映画だし。

関係ない話。
前から思ってるんですが、マサラムービーって、昔の市川右太衛門の「旗本退屈男」のシリーズに似てますね。とことんエンタメで歌と踊りがあって、細かいことは気にしないご都合主義ってところが。


お話は、

喋れない障害を治してもらえるよう祈るため、パキスタンから母親とインドに来た6歳の少女がインドの国境で母親とはぐれしまいます。

そしてインドの正直だけが取り柄の青年と出会い、青年は少女をなんとかしてパキスタンの親元に返してやろうと二人で旅に出ます。
途中、これも正義感の強いTVレポーターの青年との三人旅になり、珍道中を繰り広げつつ・・。

最後はやっぱりそうくるかという感動のフィナーレです。

2時間半を超える映画ですが、飽きさせず惹きつける展開演出と絵力は素晴らしく、観客も選びません。

★★★★★

映画レビュー:「セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!」 ロン・パールマンがGOOD!


セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!
オフィシャルサイトより転載

チラシを見て行きたくなった訴求力のある映画。

原題は「sergio&sergei」

インターネットも(ほぼ)ない1991年。
アマチュア無線で宇宙と交信してしまったキューバの男セルジオの物語。

知識がないのでわからないのですが、無線通信てそういうものなんですかね。
しかも持ち出したのは父親の使っていた第二次大戦中のシロモノ。

1991年にはソ連が崩壊し、ロシアになってしまいます。
宇宙ステーションの中でその事実を知ったのは、旧ソ連から飛び立った宇宙飛行士セルゲイ。
てんやわんやの中で国に帰還することができなくなります。

そんな国情の中で宇宙開発してるっていうのも計画性がなさすぎですが、それがソ連という国だったのでしょうか。

それはともかく、パニック障害で閉所恐怖の自分には考えられませんが、たった一人で狭い宇宙ステーションに閉じ込められ、帰る道が閉ざされるってどういう心境なのでしょうか。
それでも国の家族に心配をかけたくないと、健気に語るセルゲイは真のブレイブハートの持ち主ですね。

そんな共産国の二人が偶然めぐりあい、友情により不可能を可能にしていきます。
その二人にさらに絡むのが全くカラーの違うアメリカはニューヨークの学者(!?)ピーター@ロン・パールマン。実に良い味を出してくれます。
果たしてセルゲイは無事に地球(祖国)に帰還できるのか。

これは実話に基づくストーリーらしいですが、どこまでが実話なのでしょうか。

それほど予算をかけた作品ではないと思いますが、地味にSFXというかCGIというか特撮が緻密で違和感なく、宇宙空間などを描いています。
さらっと、「美しき青きドナウ」などを使って、「2001年宇宙の旅」へのオマージュを演出していますし。

★★★★☆

映画レビュー:「宵闇真珠」  きれいな映画


宵闇真珠
オフィシャルサイトより加工転載

よくわからず、オダギリジョーが好きなので観に行きました。

ファンタジーですね。

いろいろとリアリティがないので。
きれいきれいな映画です。

どこかで観た映像だと思っていたら、ジェット・リー主演の佳作「海洋天堂」で撮影監督をしたクリストファー・ドイルが監督と撮影監督を兼ねていたのでした。

舞台は香港ですが、よく出てくる超高層ビルやジャンクなどは出てきません。
香港のどこかにある寂しい漁村で起こるお話。

なんの説明もなく旅人であるオダギリジョーが現れて、生活感のない色の白い美少女と交流します。この美少女は今どき日光に当たると死んじゃうとかいうのを信じてて、日が暮れてからしか屋外に出ない。

だから「宵闇真珠」。
原題は「白色女孩」。
英題が「THE WHITE GIRL」。そのままですね。
それを考えると邦題は良く出来てる。

物語としてはさしたる盛り上がりもないまま淡々と進んでいきます。

最後にはありがちな、取ってつけたような事件も起こるのですが・・・。

オダギリジョーと白い美少女アンジェラ・ユンと情景をひたすら愛でるのなら、それはそれで良い映画かもしれません。

*それとオダギリジョーのダウンコートの着こなしが格好良かった。もちろんオダギリジョーだからだけど。
あんなペラペラのロングスリーブTシャツにでかいダウンコートなんて着ることないでしょうが。

★★★☆☆

映画レビュー:アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング


アイ・フィール・プリティ
公式サイトより加工転載

トレイラーを観てそそられました。

これを日本でリメイクするなら、主役は渡辺直美だよなあ、と漠然と思ってたら日本語吹き替え版はやっぱり渡辺直美でした。

非常にありがちなプロットです。
なので、どう演出してくれるのかなあと、ちょっと期待。

容姿に全く自身がもてない主人公が突然絶世の美女に。
特殊メイクやCGIを使って見せることもできたでしょうが、本作ではそういう演出はありません。
言わば観客の想像力にまかせています。ここが一番のポイントでしょうか。
トレーラーにも出てきますので書きますが、実は美女に変身したというのは本人だけの思い込みで本当は何も変わっていない。

まあ、非常にアメリカ映画的にまとまっていました。

一見なんの欠点もなさそうな美女・セレブたちも実はコンプレックスの塊だというのがポイントなのですが、いまいち陳腐でこころに響かない。
そのまとめがラストシーンの演説に収斂されるのですが、これがまた陳腐。
アメリカ的にはこれがいいんでしょうね、みたいな。
ちょっと納得できないかな。

それ以外はリラックスして楽しめる映画でした。

★★★☆☆
なにか・・・そう、昔の東宝喜劇「無責任男」の成功譚みたいに感じました!