GODZILLAVSKONG

映画レビュー:「GODZILLA VS KONG」


※超絶ネタバレなのでご注意!!

コロナ禍の中、公開が伸びに伸びた本作。
満を持して観に行ってきました。

たまたま平日に休みが取れたので、比較的ゆったりと観られました。
かなり観客の平均年齢は高めで、マナーの悪い輩もおらず、条件は良かったかと。

で、観終わって、いや半ばから「だみだこりゃ」でした。
一般的には良かったのだと思います。
あくまでも自分の中では失敗でした。
前作「キングオブモンスターズ(KOM)」はそれなりに満足しました。
オマージュと言うか、ゴジラ愛否怪獣愛にあふれていたと感じました。

この前作で完全に生物を超越してしまったゴジラ。
対するに所詮はゴリラの延長のコング。実際本作でも魚かなんか食べてました。

シン・ゴジラではその存在に対して、エネルギー源が説明できないという件があり、結局核燃料(廃棄物)を食べて体内で核融合を起こしているという流れがありました。
良くも悪くもハリウッド映画ではそのへんをすっ飛ばしている。
映像そのものは超リアルなのに、その拠って立つ根拠が完全スルー。

80%観た時点で、ストーリーが全く理解できない。
同時進行で別々の話が展開していき、ひたすらとっちらかってるとしか思えない。
なんとか最後にそれらが収斂してくるのですが。
とりあえず、小栗旬いる?!
日本での観客動員には寄与するでしょうが。

前作KOMでは灼熱と化し、怒りのエネルギーでギドラを含む周囲を燃やし尽くしてしまった怪獣王。それに巨大類人猿のコングがどう立ち向かうのか、それのみが興味で観に行った本作なのですが。
それどころか、唐突に出てきたメカゴジラになすすべなくボコられる怪獣王。
最後は(まさかの)大同団結ゴジラ&コング。
メカゴジラのデザインはやはり、これまでの装甲重視のものにしてほしかった。

こういう言い方は本意ではないですが。
この感じだったら、「ランペイジ 巨獣大乱闘 」の方がずっと面白かった。
もう一言言わせてもらうなら。
小栗旬いる?!

でも、次回作があったら・・・観に行っちゃうんだろうなあ。
「KOM」に比べて本作は興行収入好調らしいし。

それはともかく、死ぬまでに「ゴジラVSガメラ」が観たい!!!

読書レビュー:「私が日本に住み続ける15の理由」


ケント・ギルバートさんの著書は3年ほど前に読んだ
儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」があります。
本書の内容は(当然ですが)この↑の本の内容と同じ姿勢・切り口です。
アメリカ人として、愛する日本が間違った方向に進んでいくのが耐えられないので声を上げている、ということです。
こちらの書評を読んでいただければ、感想は大体同じかなと思います。

今回はさらに丁寧に具体的に日本愛を語っておられ、それはそれでありがたい。
首肯する箇所も多々ありました。

広く世界を見聞し、その上で50年住んでいる日本を観察する。
そこは認めますが、現在の安倍晋三総理大臣に対して完全なリスペクトを表明しています。
さすがにそこは引いてしまいます。

折しもここ数日で森友問題が再燃し、かなりやばい事態にもなっているし、新型コロナに対する施策がかなり叩かれている状況でもあります。

もう、ケントさんの本にお金を払うことはないと思います。
 
★★★☆☆

 

読書レビュー:「藻屑蟹」暫く追いかけられそうな作家が現れた。


軽い気持ちで読み始めた。

赤松利市という名前をなんで知ったのだろう。
誰に勧められたわけでもないのは憶えている。
新聞広告だろうか。
多分、「62歳の新人で元ホームレス」というような惹句が琴線に触れたように思う。

色々な作品の紹介を見ていると、西村賢太や車谷長吉のような無頼なイメージを感じた。
かなり好物だ。

最も、赤松先生はTwitterをしておられ、フォローをしたらすぐにリプライ付きでフォロー返しをしてくださった。
単純なので、それだけでファンになってしまう。

最初に「純子」を読み始めた。
敢えて理由は書かないが、最初の方で挫折して少し寝かせておこうということになり、デビュー作でもあり、第一回大藪春彦新人賞を受賞した本作を手に取ることになった。
手頃な長さでもあり、又、文章のリズムが良く(少なくとも自分には)どんどんと読み進められる。

が。

読後にはずっしりと腹に鉛を感じることになる。

もちろん内容は書かない。

読み終えてすぐにKindleで次の作品を選び、ダウンロードすることになった。
現在、かなり精力的に創作をされているようなので、楽しみである。

読書レビュー:「僕は、死なない」


半分くらい読んで挫折しました。

ステージ4の肺がんになり、その後全身に転移。

ひたすら、治療法を模索する記録。
読んでてしんどいです。

まさに今、ガンになり、必死で治療法を探している人には良いと思います。

私は胃がんでステージ2(最初は3と言われてましたが)で胃の3/4を摘出し、
その後抗癌剤治療を行い、現時点で術後3年半。
5年の経過観察中。
抗がん剤服用中はそれなりにつらかったし、その後お約束みたいに
腸閉塞で再手術。また、死にかけた。

でも、なんか。
こんなに必死に治療法を探す気にはならなかった。
自分が変なのかもしれないが。

著者は抗がん剤治療を頑なに拒否したり、なんか結構呪術的なものに頼ったり。
無様さをそのまま詳細に記述しているのはすばらしい。
必死に生きようとする姿勢は全く正しい。

で、結局、死の淵から生還されたのだから、結果オーライです。

著者は非常に優秀なビジネスマンであり、ボクシングのコーチもしておられる。
わたしも一応ボクシング経験あり、ダメダメな社会人ではあるけれど、今ひとつ
シンパシーは持てないのでした。

ごめんなさい。

映画レビュー:「パラサイト 半地下の家族」


リーフレットより
アカデミー賞を獲る前から注目していて、絶対に観に行こうと
思っていたけど、いざ受賞すると、「まさか!?」という
感じでちょっと萎えてしまった感がある。
ドメジャーを忌避してしまう天の邪鬼なだけなのだが。
 
ポン・ジュノ監督好きだし、ソン・ガンホも大好きなので満足。

アカデミー賞と獲るということは、今後のあり方の方向付けと
可能性を拡大させるということで、(マーケティング)本当にすばらしいとは思う。
反面、米アカデミー賞については、どうも権威としては
いまいちありがたみを感じることができない。
 
にしてもカンヌ パルム・ドール。
アカデミー4部門は快挙というしかない。
ここのところ、韓国映画のレベルは安定感が半端ない。
 
実のところ、「ん?」と思わないところがなくもなかったが、
2時間以上、まったくダレ場がなく、ラストまで引っ張っていく
その力量はすごいというしかない。
「映画力」と評したい。
スタッフ・キャストの総合力だ。
 
この映画は特にネタバレ禁止という注意書きがあるので、
あまり具体的には書けない。
 
あと、超個人的にパク・ソダムが可愛かったなと。
なんか「福岡」という映画に主演してるみたいなので、
観てみたいです。

読書レビュー:超図解 ブロックチェーン入門


とっつきにくかったブロックチェーンが良くわかり(入門として)、同時にビットコイン(仮想通貨)についても理解できた。
本来ビットコインを実現する上で不可欠なものがブロックチェーン技術。
法定通貨に対する仮想通貨。
つまり中央集権型管理から分散型管理ということ。
もちろん、入門なので概念を理解できたに過ぎないが。

分散型型管理にすることにより、新たに信用が担保される必要がある。
そこでマイニング(PoW:プルーフ・オブ・ワーク)というシステムが必要になってくる。
そこで疑問が湧いた。
マイニング作業には膨大なコンピュータリソースや電力、資力が必要だ。
現在、それを潤沢に持っているのが中華人民共和国。
だが、中国共産党と中央集権を廃した分散型管理というのは最も相容れないものだろう。
現在、中国はそのあたりをどう折り合いをつけているのだろうか。

少し古い本だが、現在でも十分に通用する入門書だ。

映画レビュー:「JOKER」 やっと観られた


やっと観ることができた。
もう、動画配信もされているし、DVDも売っているというのに。
しかし、やはり大画面で観るに限る。
再上映、無駄にIMAXだったが。
 
しかも、観劇中にホアキン・フェニックスがアカデミー主演男優賞。オスカー受賞。
偶然である。
 
ホアキン・フェニックスといえば、去年「ドント・ウォーリー」を観たのだが、全く同一人物だとは思わなかった。
気づいたのは最近である。
あんまりチェックしていなかったし、本作のために20キロ以上の減量をしたらしいから仕方がない。
風貌が全然違うんだもの。
しかも「ドント・ウォーリー」ははっきり言って全然面白くなく、記憶に残っていないし。
だから、このブログにも記載がないんだな。
 
もう「JOKER」については語られまくっているし、特にいうこともないのだが。
今のボクの心情にフィットすることは確か。
貧乏で何をやってもうまくいかず、八方塞がり。
といっても、全世界でヒットし、共感を得られているというは、この閉塞感は世界レベルということなのかしら。
 
JOKERはもちろんバットマンの宿敵。
その名悪役がどのようにして生まれたかが丁寧に描かれている。
しかし、いるのだろうか。そもそものその設定が。
なんか、不必要な気もする。
いや、やはりいるのだろう。
でなければ、あまりにも救いがなさすぎる。
あくまでもコミックのヴィランであるという設定があるから、この悲惨な内容もフィクションとして楽しめるのだろう。
15R指定だけど、それほど過激な描写があるわけでもない。
一頃流行った「羊たちの沈黙」や「セブン」のような猟奇描写ではないし、性的なものも特にない。
 
やはり観るべきはホアキンの熱演と、それを受けるデ・ニーロの抜群の安定感だろうか。
 
なんかちょっと次につながるような感じもしないではない。
 
★★★★☆

映画レビュー:「男はつらいよ お帰り寅さん」



男はつらいよお帰り寅さん
公式サイトより加工転載

元日から映画館に行ったのは初めてでした。

どちらにしても「寅さん」の新作となれば行くしかない。
期待はしませんでしたが。

結果から言うと、自分の全く期待しなかったハードルをギリギリ超えたかなと言う感じです。


観終わった直後に横尾忠則さんと山田洋次さんの場外乱闘が発覚。
これは予想外だし鼻白みました。

どちらも好きな人だから、止めてほしかった。
真実はわかりませんが。

横尾さんが、基本コンセプトをパクられたって言ってますね。

その数日後の誰かのツイートで、今回の「寅さん」は「宇宙怪獣ガメラ」だ。
というのがあり、思わす膝を打ちましたねw

そう、今更横尾さんが主張して、山田監督が目からうろこだったみたいな斬新な基本案でもないと思うのですがね。

上記の説明は冗長だし、ネタバレにもなるので省きますが。


「男はつらいよ」シリーズの末期は、甥の満男が主人公のラブストーリーになっていました。
その流れもあり、本作も満男がメインです。
しかし、現在の満男はそこそこ売れている小説家。
その時点でボクとしては「う~む」です。
まあ、フリーランスという点では寅さんと同じですが。

寅さんとその周りは完全無名な庶民代表。
満男はサイン会で元カノ泉ちゃんと再開します。
サイン会をする主人公というのは、このシリーズの基本コンセプトとしてはいかがなものか。

ボクはこのシリーズにおいて、3大名人と思いっている俳優配役があります。

宮口精二:小説家、高見修吉
宇野重金:日本画家、池ノ内青観
片岡仁左衛門:陶芸家、加納作次郎

もうこの三人は、劇中で執筆・作画・作陶をしているところが、本職の達人にしか見えない。こんな説得のあるお芝居はそうそう観られるものではありません。
全員、渥美清の啖呵売レベルです。

その他にも川谷拓三のロシア語翻訳者とか、津嘉山正種の証券マンとか、枚挙に暇はない!

それはともかく、シリーズにおいて小説家といえば、宮口精二なわけです。
(宇野重吉と片岡仁左衛門は共に人間国宝級の芸術家なんですが、宮口精二は小説家としてのポジションはわかりません。でも執筆の仕方の堂に入り方が3人の中でも一番好きです)

無学で粗野な主人公寅次郎の対局にいるキャラクターとしてのインテリたち。
シリーズ通してこれが基本だったので、どうもひっかかる。
つまり、これは寅さん映画ではないのだな。という感じ。

嫌いではありません。
お屠蘇気分で観に行ったので、ラストでは少し涙ぐんでしまいました。

寅さんと「男はつらいよ」を愛するものとしては、お正月に寅さん映画が観られただけで幸せです。

オープニングの主題歌を歌うのは桑田佳祐。
満男編になってからは德永英明と共に劇中歌に採用されていました。
いつもの桑田節を抑えて、少し渥美清に寄せているあたり、並々ならぬリスペクトを感じます。

ラストシーンが、いつもどおり、次回へ続く感じではないのが寂しい限り。

★★★★☆

年の瀬の一出来事



うさぎのヌイグルミ

昨夜は大阪梅田で呑んでいたのですが、かなり早めに帰りました。
多分19時代。

JRの普通電車で、席が空いてたし眠かったので着席しました。
と、前に全身黒ずくめの若い夫婦とその3・4歳くらいの小さな娘が立ちました。

しばらく見ていたのですが、その女の子があくびを連発しだし、若い母親に抱っこを求めだしました。
こりゃ、席を代わる案件だと思い、すぐに「代わりましょうか?」と言って席を譲りました。

その母親はすごく申し訳ないというような表情をしましたが、素直に席に付きました。
これまた若い父親はなんとも中途半端な表情と仕草を見せただけで、明確な礼はありません。
別に礼を求めていわけでは、もちろんないわけですが。
社会人としてはいかがなものかと思うわけです。

小さな娘は着席してすぐにいびきをかいて寝始めました。
席の譲り甲斐があったというものです。

二言三言母親と言葉を交わしましたが、三人でUSJに行き、娘もいっぱい歩いたので疲れたのでしょうとのこと。

電車を降りしなに「それじゃ、おやすみなさい」というと、若い父親もしきりにペコペコしていました。
別にそれで良いんだけど、君の行動が娘への教育なんだよ、と言いたかった。

それはともかく。
こちらとしては、気持ちよく替われて、娘ちゃんも夢の続きが観られて、母親も心底楽ちんそうだったということで、いいことづくめ。
こちらも気持ちの良さがずっと持続して、逆に礼を言いたくなる気持ちになりましたとさ。

女の子の持っていた、ボタンが目になっているうさぎのヌイグルミが大変に可愛かったのが印象に残っています。

読書レビュー:情報だけ武器にしろ。: お金や人脈、学歴はいらない!


ホリエモンといえば、一昔前というか、今でもある程度以上の年代の人からは嫌われている印象があります。

多分、一言で言って既存の常識にとらわれないというより破壊しているからでしょうか。

本書でも相変わらず気持ち良いほどそのような持論を展開しています。

ボク自身は保守的だけどパンクという人間で、彼が登場してきた時から結構好ましく見ていました。

まあ、実際牢屋に入っていたのだから問題はあるのでしょうが。

まず、冒頭から情報のシャワーを浴びろ、と。
しかし、現代人の脳は過度に働きすぎなので、休めなければならないと締めくくり、どっちやねんという感じ。

でも、確かにその両方とも正しい指摘であると思います。
要はバランスですね。

具体例をたくさんあげていますが、その中で特に目に止まったのが、銭湯について。

ボクは銭湯ファンで、あちこちの銭湯に入りに行きます。

最近はメディアに銭湯が取り上げられ話題になることも多いのですが、やはりどんどんとその数を減らし、存亡の危機に瀕しているいる現状に変わりはありません。

ホリエモンは銭湯にも興味があるらしく、復活させるためにかなりドラスティックなアイディアを出しています。
自分でやる気はなさそうですが。

確かにそれらのアイディアもアリだとは思いますが、やはりなんか違う。

それで銭湯経営という見地からは新しい地平を切り開くことはできるでしょうが、銭湯ファンからはソレじゃないとしか思えません。

1ユーザとしては「ケ(日常)」としての銭湯に魅力があるのであって、「ハレ(非日常」」の場を求めいるのではありません。多分。

店主と手伝い一人のカウンターだけの居酒屋に行きたいのに、チェーン展開の店ばかりになってはつまらない。というような感じでしょうか。

そこのあたりがホリエモンとの同調に限界を感じました。

全体的には非常に時代を捉えた良書であるとは思います。