
ロードムービーって、ハズレがないように思います。
少なくともボクの場合。
古くはマイオールタイムベストワンに輝く、フェリーニの「ラ・ストラーダ 道」。
あと、「スケアクロウ」とか「スタンド・バイ・ミー」。
健さんの遺作「あなたへ」も良かった。
今回の主役はドイツの14歳の少年たち。
ドイツ人というと大柄なイメージがあるんですが、主役の少年はチビ(マイク)。
その相棒の東洋人の少年(チック)が大柄という対比は面白い。
東洋人(ドイツ国籍?でドイツ在住)といっても、名前からしてモンゴル人なので、大きいのもなるほどなんですが。
ちょっとチョウ・ユンファに似ていてカッコイイ。
(向井理似という評もあるらしいけど)
なんにしても完全に一人で主役を持っていってる感があります。
大体原題が「TSCHICK:チック」です。
なんで、こんな邦題をつけたのか???
マイクから見た忘れらない大事な友達ということでしょう。
不良のチックとひ弱なマイク。ジャイアンとのび太的な感じ。
でも、チックはとんでもない不良だけど暴力的なところはなくて、結構穏やかなヤツで、虚無的なところもある。
しかも、頭脳明晰で魅力的なキャラクターです。
ほんと、このチック役の少年はいい味出しています。
英語をマスターして活躍の場を広げてくれたら面白いと思います。
この凸凹コンビに途中で合流する少女がいます。
実は年齢的には少女でもなさそうですが、役の上では同年代の少女。
しばし旅の道連れになるワケアリの女の子です。
微妙な思春期の性を描くスパイスになってくれます。
描き方はヨーロッパ的なドライ感があって、好ましい。
佳品です。
★★★★★