読書レビュー:脇役誕生 花沢 徳衛


花沢 徳衛
岩波書店
発売日:1995-02-24

図書館で借りたので、全部読めませんでした。

良いエッセイなのですが、今ひとつ集中できなかった。

大好きな俳優さんです。

ほとんど高齢になってからしか知りませんが、名優です。

共産党員としての活動でも有名でした。

昔、「徹子の部屋」に出た時のことを覚えています。

指物師だったそうで、作品持参して説明されていました。

本書によると、小学校中退で指物師の修行をし、非常に若くして独立して失敗したようです。

その後、絵かきを志し、紆余曲折の後、俳優になったと。

ルックスをご存知の方も多いと思いますが、特に年を経てからは「頑固親父」を絵に書いたような人でしたね。

「男はつらいよ」にゲスト出演した時は、病気でしゃべることができない、老香具師をコミカルに哀歓たっぷりに演じていました。

しかし、文才というかボキャブラリーというか、いささか古めかしくはありますが、近頃の有名作家を凌駕しているのではないでしょうか。

文中、何度も「小学校中退」「無学」「学歴がない」という自虐的な言い訳が出てくるのですが、単に学歴がないだけでその知識・見識は全くのインテリです。

同時に俳優の研究所に入った同期が京大や早稲田の出身者であったり、やはり映画監督などは高学歴の人たちが多かったので、負けん気で猛勉強されのであろうことはうかがい知れます。

そのせいもあるのか、文章が非常に固いです。

ちょっとエッセイというには肩がこる感じ。

そう感じる自身は少し反省すべきなのか。

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