
高齢者ドライバーによる交通事故が相次いています。
もっとも、これまでにも少なからずあったのでしょうが、後期高齢者の増加によりそれが顕在化してきたということなのでしょう。
例えば公共交通機関の不備な地域等ではない場合。自身の老いが「認められない」という理由が優先することであれば、それは文字通り「認知機能」の衰えなのだと思います。
本日、ボク自身にも若干その被害?が降り掛かってきました。
好天の午前中に車をコンビニの駐車場に停めて新聞を買い、出発しようとしました。
そのコンビニは住宅街の中にあり(第二種低層住居専用地域)、店に面した道路は明確な車線もないような狭路です。
にも関わらず、抜け道になっており、交通量が多いのです。
そして出てすぐに信号があり、停滞を引き起こしがち。
ボクの車の前には、右折しようと車体の前半分を駐車場から出している軽四が停車していました。
そこへ右側から自動車が直進してきたために、それを避けようとその軽四はバックをしてきたのです。
ボクは十分に車間はとっていたのですが、その軽四は全く後方確認をせずに下がってきました。
まさか確認せずにバックしてくるとは思わなかったもので、一瞬の判断でクラクションを鳴らすこともできませんでした。
そのままガッシャ!
うっそー、という感じでした。
すぐに謝りながら降りてきたのが、きっちり結構な爺様です。
つい先日ゴールド免許を取得して、結構キレイに車に乗っていたボクはチョイぎれ。
爺様が言わなくてもいいのに、「クラクション鳴らしてくれれば・・・」とか言うもんだから。
「いや、まず後方確認してないのはそっちやろ!」と。
まあ、そんなにキレてませんけどね。
爺様も「自分が100パー悪い」と言ってくれてるし。
すぐに警察に連絡してもらって、事故証明の手続きをしました。
ま、こちらのバンパーに傷が付いただけで、フェンダーも大丈夫だし、怪我もお互いになかったので良かったけど。
なんだかんだの挙げ句、一緒にディーラーの工場に行って修理見積もりをあげることになりました。
爺様は現在77歳で、知人の仕事をアルバイトで手伝っているということでした。
作業服を着て、申し訳ないけど裕福そうには見えません。
しかも、任意保険に入っていないとか!
そんなんで仕事するなよー (;_;)
バンパー全交換で、それ以外のカバーにも傷が付いていました。
なんだか、家賃が払えないだのなんだのしきりに言ってますが、観念して現金で払ってくれるらしい。
こちらもヴィヴィッドな黄色の車なので、傷が付いたままは乗りたくない。
可哀想になってきたので、バンパー以外のカバーはもう諦めて、修理してもらうことにしました。
でもね、大将(爺さんのこと)。これがボクの車で良かったよ。
子供や年寄りに当ててたら、人生終わってるよ、と。
それは本人もわかってるみたいでした。
ボクは悪くないのです。停まってる車に当てられたのですから。
しかし、最後まで謝ってた爺様と別れてから、ものすごく嫌な気持ちになりました。
本人の言を信用するのであれば、あの歳で蓄えもなく、働かなければならない老人に虎の子のお金を出させてしまったという事実になんとも言えない鉛を飲んだような後口の悪さを覚えます。
「今後は本当に気をつけてくださいね。」と言ったのですが、危なっかしくヨタヨタと運転して去っていく爺様を見送って、高齢者ドライバーのジレンマを噛み締めたのでした。
とは言っても、近い将来の自分でもあるのですが。