今回は関東対関西。というか、大阪だそうです。配役が豪華です。
関西の組の名前が「花菱組」というので、てっきり神戸かと思ってたんですが、そうではないようで。
その関西チームの主要メンバーが、会長に神山繁・若頭に西田敏行・幹部に塩見三省。
塩見三省のみ京都府出身なのですが、思いの外関西弁が?でした。
西田敏行も長年「探偵局長」をやってるんですが、やはり関西弁はちょっとアレかと感じました。
神山繁(ずっと「かみやま」と思ってましたが「こうやま」なんですね)は、とりあえず高齢(83)なのにすばらしいです。関西弁はともかく。
「仁義なき」では三代目役の丹波哲郎の関西弁もひどかったですからね。
いろいろと思惑はあったでしょうが、北野映画の常連で関西ベースといえば、大杉漣・岸部一徳・國村隼とかいっぱいいるのですが。
國村隼は前作で死んでますが、そこは「仁義」魂で気にせず復活させるとか。松方・北大路・梅宮ばりに。
関西弁については昔は東映京都が元気いっぱいで、主役級が撮影所近辺に沢山住んで悪いことばっかりしてたみたいで、自然とピロートークで関西弁もうまくなったのでしょう。
それはともかく、やっぱそりゃ日本映画の金字塔「仁義なき戦い」とは比較してしまいますよね。ボクはそういう比較はキライなんですが、こればかりはどうしても。
この映画「A・B」も非常に良かったのですが、さりとて、何回も観直せるかと言われると(´ε`;)ウーン…です。
「仁義なき」みたいにシリーズをボックスで買ってヘビロテするようなことはできない。
好きなもの同士、セリフを覚えてそれで会話するてなこともできない。まぁ、それはちょっと病気ですが。
☆ ☆
昔の映画やテレビドラマはピストルの音と言えば「ズキューン」「バキューン」でしたわね。
なんかウェットで、アイドルがハートを撃ちぬかれてもズキューンでした。
最近はアメリカに習っているのか、「パン」とか「バン」とかですね。「バーン」でも「バンッ!」でもなく。
ドライでソリッドでよりリアル(なのかどうか知りませんが)に。
拳銃のコワさを強調してていいのではないでしょうか。
それに加えて、本作では特に大型のオートマチックなので、アスファルトに落ちてはじける薬莢の音がさらにリアル。
下が砂地でリボルバーの西部劇ではこうはならない。
先述したように、銃がでかい。アメリカンサイズなんでしょうか。かなり殺傷力ありそうです。
その銃をカッコよく使ってけしからんのが、高橋克典の殺し屋。
最初似てるなーと思ってたら、やっぱり本人でした。
この銃のコワさは「仁義なき」を凌駕しています。
☆ ☆
監督に気に入られているのかどうなのか、今回、中野英雄が大活躍します。前作では結構ひどい扱いでしたが。
で、たけしがちょっと格好良い鶴田浩二路線ていうか。
☆ ☆
これだけは書いておきたいのが、監督の人の使い方の妙。
関東(山王会)・関西(花菱組)のどちらも手が出せない大物フィクサーとして登場する在日コリアンのラスボスチックな方。
白龍を従えて、物静かにたけしの面倒をみるのですが、迫力が半端じゃない。
たけしの引き立てる演技もうまいのですが、マジで怖い。
誰これ???とずっと気になって仕方がない。
ドン・コルレオーネよりリアルに怖いです。
あとで調べましたが、北野監督の個人的な知人で実業家の素人さんらしいです。
ほんとに感心しました。そこそこセリフはあるのですが、素人なのかどうなのか判別のつきにくい素の迫力というか。
前作の北村総一朗の大親分もかすみます。
あんまり使えない反則ギリギリだとは思いますけど。
☆ ☆
前作のレビューで、たけしがはじけるには年齢的につらい、と書いた記憶があります。
やはり本人もそう思っているのでしょうか。今回は引退したがります。
しかし、もし三作目があるならば今度は関東対広島でどうでしょう。
まあ、登場人物あらかた死んじゃったけどね。