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映画レビュー:ランゴ RANGO


著者 :
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
発売日 : 2012-11-09
個人的には洋画などで、ストーリーについていけない時がままあります。
外国の習慣で、その説明がなされていない事によるものであったりするのです。
ただ、大筋には影響しないので、訳がわからなくなるようなことはあまりないのですが、今回もそうでした。
書くとネタバレになりますので書きませんが。
細かい事を気にしなければ十分に楽しくことができます。

アニメーション作品でよくある擬人化ですが、このレベルが高いですね。
それぞれの動物の特徴を良くデフォルメして、記号的によくありがちな擬人化がなされています。
カラスのネイティブアメリカンや、ガラガラヘビの悪漢、リクガメの町長など。
ほんとに昔からよくありがちなのに、それでも愉快です。

デフォルメといえば、動物達のデザイン・所作をを極端に描いています。
E・Tの造形など、初見の感想は大体みな一様に「キモ!」だったはずです。
しかし、映画の半ばまでくると、何故かそれがキュートに変わってくるのです。
あれはやはり、造形の妙なのでしょうか。
本作のヒロイントカゲも、最初はなんとブサイクなデザイン、と思ったのですが見慣れると非常に可愛らしく感じてきます。
最も主人公ののカメレオン@ジョニー・デップは最後まで今ひとつだったりもしますが・・・。
なんで、首が折れ曲がってるのか、気になって仕方がない。

全体的に「荒野の用心棒」をイメージして、小動物達に置き換えた大人の鑑賞にも耐えるアニメーションです。

映画レビュー:本日休診(1952)


著者 :
松竹ホームビデオ
発売日 : 2008-06-27
井伏鱒二の原作はかなり以前に読んだ記憶があるのですが、映画を観ても全く思い出せません。
同じ文庫本に収められている「遥拝隊長」の方はそれなりに記憶あるのですが。

本作で主人公の人情医師をにこやかに演じるのは柳永二郎。あまり主役を張る俳優ではありません。
この地味な主人公の周りを固めるのが、派手でアクの強い俳優陣。オールスターといっても過言ではない。
にも関わらず、決して周りに持っていかれることなく、地味なまま主人公たる柳永二郎は、けだし名優というべきでしょう。

舞台は終戦直後の東京。みんながみんな極端に貧乏です。
そして戦争の傷跡も生々しく残っています。

そんな中で初老の医師・柳永二郎は診察料も殆ど請求せずに診療します。
あまつさえ「本日休診」にも関わらず、次々と来訪する患者の対応に追われ、往診までこなしすのです。

色っぽい姐さんを演じる淡島千景。
(本作と関係有りませんが、いつも扇千景と淡路恵子の三人の名前がごっちゃになります)
小津作品にも良く出ますが、若いころはすごく可愛い美人ですね。和装も洋装もすごくいい。

その情夫役が鶴田浩二。東映に流れ着くついてスーパー任侠に定着するまでは人形のような二枚目時代もありました。
本作でもやくざの役ですが、少し滑稽な役回り。

淡島千景の兄を演じるのが、人はいいけど仕事をしないろくでなし。演じるのが中村伸郎。こういう役は珍しいですね。

医院の看護婦を演じるのが岸恵子。まだ花開く前の初々しく可憐な雰囲気です。

そして、インパクト大で、なんで?と言う感じなのが、三國連太郎。
戦争で怪我をしたのか、正気を失っています。映画の中ではダイレクトに気違いと言われてますが。
この偉丈夫で男前が、自分を軍隊の指揮官と思い込み、誰かれ構わず命令しまくってトラブルを引き起こします。
確か、「独立愚連隊」か何かで三船敏郎も狂った上官をコミカルに演じていました。
こういう普段スキのないような二枚目が狂人を演じることで戦争の悲惨さを描こうという狙いなのでしょうか。
一見無駄とも思えるキャスティングです。

レイプされた娘を親切に面倒をみるゴミ拾いのおばさんも、自分の息子(佐田啓二)の嫁にという展開となると、即座に拒否するという展開が有ります。
このようなシビアな問題提起も織り込まれ、安直な人情喜劇映画ではないところを感じさせます。

しかし全体的には、観終わって晴れ晴れとした気分にさせてくれる佳作と言えるでしょう。

映画レビュー:ブタがいた教室


 

2013.11.9buta

 

2008年公開の映画です。

実話に基づくストーリー。

で、このモデルの学校が、大阪府豊能町にある小学校。

そういえば、公開当時そんなことを聞いたような気がしました。

豊能町にある「北大阪ネオポリス」。割りと良く通るところです。

箕面市方面から山の中を抜けたところに、突如として現れる、結構な規模の北大阪マチュピチュ的な・・・

いや、ホントの北大阪マチュピチュはこっちです。「茨木台ニュータウン」。

どちらもバブル期の徒花です。

しかし、本作の設定は東京都の郊外ということになっています。それはそれで良い。


それはともかく、なかなかの映画です。

もっとも、どんな名優も、子どもと動物には勝てないとはよく言われる言葉ですが。本作はその両方が主役なんだから反則気味。

未見の映画「いのちの食べ方」にも通じる、原罪と向き合う、なかなか考えさせる映画です。

賛否両論というよりも、答えは出さないストーリー。

演じる子たちには白紙の台本が与えられ、本気で自分の言葉でディベートするシーンが長く続きます。

映画を見ているボクは、それをハラハラしながら見守る一人の大人になります。

有名なので、ネタバレさせますが、クラスのみんなが子豚から育てたpちゃんは食肉センター(屠殺場とは言わないのね)に送られます。

え、それで終わりか、というラストシーン。

あとはみなさんで考えてくだい、ということですね。多分。

ドナドナ。


原作本は読んでいないのでわかりませんが、実際にはどうしたんでしょうね。みんなで食べたんでしょうか。

クラスのみんなは苦渋の選択に当然、ゲーゲー泣いてますが、豚もたまったもんじゃないです。

1年間ペット待遇で飼われてたのに、ある日突然、「はい、今から君は産業動物ね」って。

豚の精神構造は知りませんが、聞くところによるとかなり知能は高いらしいので。

この企画を唐突に持ちだしたのが、妻夫木聡演じる担任教師です。その生命の大切を身をもって教えたいという試みは立派なんですが、子供と大した差もなく、ブレブレの意見しか持ってなさげで。

まあ、それは子供と同じ目線で悩んでるということでもあるのですが。

さて、この教育は果たして良かったのでしょうか。

映画を観て考えましょう。

映画レビュー:息もできない


息もできない
予告編より
著者 :
Happinet(SB)(D)
発売日 : 2010-12-03
ヤン・イクチュンが気になって・・

先日、ヤン・ヨンヒ監督の「かぞくのくに」を観て、キャスティング及び演技陣の素晴らしさや映画のできに感動しました。

中でもほとんどセリフのない寡黙な役ながら、なぜか印象に残ったヤン・イクチュンが気になり、その監督・主演映画で好評を得たという本作を観てみました。

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なるほどいいね

あれ、この人だっけ。

という感じで、かなり違う印象です。

これはやはり演技の確かさということでしょう。

ひたすら粗暴で狂犬のような主人公です。債権取立て屋。

「ヤクザ」という表現も用いられていましたが、途中から言い回しが「チンピラ」に変わります。

確かに、共同で高利貸しを営んでいるので、ギャングとは違います。

そもそも韓国ではこの手のギャングはどのような存在なのでしょうか。

ギャングやアウトローはどの国にもいると思いますが、共通項は犯罪者であり、犯罪者集団であるということです。

なので、日本のように「ボクたちは犯罪者です」よ、◯◯組と看板を上げてる国というのはないらしいのですよね。

シシリアンマフィアでも、公然と存在はするけれども、看板はあげてませんから。

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既視感・・・

この映画を観て、まず「竜二」を想起し、もうすぐ読み終わる長編小説「血と骨」も思いだしました。

前者はプロットとして、後者は粗暴さの放つ同国のメンタリティ的な類似として。

ネットで読んだインタビュー内で、ヤン・イクチュン監督は、日本は感情の表現がおとなしい、そして殴る演技(多分喧嘩とかに特定するのではなく)が遠慮がちであるというような事を言ってました。

邦画への出演も結構多く、度々来日しているので、素直な感想なのでしょう。

感情表現については、良く分かりません。「クサイ」ということとは別なのでしょうか。

歌舞伎を一つの源流としている日本の演劇は、結構オーバーアクトな場合も多く、洋画出演などでも指摘されるようなことも多く聞くのですが。意味的に違うのかな。

2つ目は、本作の中で主人公の女子高生が不良の弟と喧嘩する演技で納得しました。

多分、あんな演技(?)は日本ではないでしょう。

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やはり似て非なる国

韓国へは行ったことないのですが。多分、リアルな韓国を見ることができる映画なのだと思います。

主人公の取り立て屋が訪れるのは、返済期限の過ぎてる切羽詰まった低所得者の家。

住宅の雰囲気などは日本に近く、親近感を覚えますが、やはり何かが違う。

スラムではないのですが、あまり富裕層でない住宅街。

何が違うのかを考えた時、単純に道が舗装されていないことに気付きました。

日本では個人の土地でない限り、道路は基本的に舗装されています。時代劇に対する嫌がらせのように。

ハイキングコースであっても、アスファルト。

そんなところに異国情緒があるのですね。

「ナニワ金融道」「ヤミ金ウシジマ君」などで、非道な高利貸しは描かれますが、あまり直接殴ったり蹴ったりはないですよね。

恫喝はともかく、殴ったって殺したって一文にもなりませんし。

この主人公は債務者をボカスカ殴ってますが、取り立てもしっかりできてる。どういうカラクリなのか、その点は気になります。

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2時間以上の長い映画で、韓国の抱える、家族・貧困などの問題が沢山詰め込まれています。

あと、ヤン・イクチュンは出演シーンの80%以上が喫煙シーンのようなイメージ。「かぞくのくに」でもそうでした。どんだけヘビースモーカーやねんというか、そのメッセージ的なものが不明。

その周りの人(チンピラ)もかなり吸い続けてるので、アウトサイダー表現でしょうかね。

そして、パチンコにものめり込んでます。韓国ではかなり前にパチンコは全廃されたはずですが、これは違法パチンコなんですかね。

主人公の女子高生。かなりいい演技してます。

基本的にストーリーに類することはあまり書きませんので、観てください。オススメではあります。

映画レビュー:ローグアサシン


著者 :
角川映画
発売日 : 2009-11-20

んだこりゃ?

これは日本公開はされたんでしょうかね。

制作が2007年なので、割りと新しい。

現在、「ウルヴァリン・SAMURAI」が公開されていて、トンデモ日本描写には気を使ってるとかヒュー・ジャックマンが言ってましたが。実際観てないのでなんとも言えません。

一方、ほとんど気を使ってない。気を使う気もないのが本作です。

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好きか嫌いかで言うと好き

そう。

好きな俳優が沢山でてるので、見ました。

ジェット・リー

ジェイソン・ステイサム

ジョン・ローン

そして石橋凌

石橋凌はともかく。

このラインナップで、割りと言いプロットで、なんでこれなんだろう。

そもそも、マーケット的に誰をターゲットにどういう意図で作られたのかが不明。

日・中・韓が三つ巴で、英国人(米国)のジェイソンが絡んでくるという。

最後までどんでん返しが続くので、緊張感はあります。

ジェット・リーの冷血漢も板についている。

ジャパニーズヤクザとチャイニーズマフィアの抗争がサンフランシスコで繰り広げられ、FBIが絡んでくる。

多分、そのFBI捜査官でジェイソン・ステイサムの相棒ぽいのが韓国系米国人ぽいんですが、よくわかりません。

それより、後からジェイソンの相棒になる、偉丈夫な黒髪ロン毛の韓国人が格好良い。

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やっぱ、俳優が活かせてない

香港マフィアの親玉がジョン・ローン。

日本ヤクザの親分が石橋凌。

ジョン・ローンが中国系米人のギャングを演るのはイヤー・オブ・ザ・ドラゴンでもそうでした。観てないけど。

そして、石橋凌もハリウッドではヤクザ率高いですね。

チャイニーズマフィアではそれほど象徴的ではないのですが、この映画の逆説的な見所はやはり、ジャパニーズ(ヤクザ)の描かれ方。

やっぱりかなりエキゾチックなんでしょうね。

やっぱりそれか、みたいなステレオタイプ健在です。

ラストサムライ以降のアメリカ映画としては、ワザとやってる?みたいな気もします。

・ヤクザは全員倶利伽羅紋々全開。しかもタトゥー的に手の甲まで入ってる。だからスーツ着ててもヤクザ丸出し。いかにスジモンでも日常生活に影響ありすぎ。しかも石橋凌は経済ヤクザなのに。

・何故かサンフランシスコで丁半賭博をやってる。そのヤクザを始め、日本語が喋れない。英語の字幕が付いてるんですが、肝心の日本語が聞き取れない。ので無理やり英語を読む。

・石橋凌の娘役のデヴォン・青木がルーシー・リューくらい日本語がヘタ。で、何故か顔見てると殴りたくなってくるタイプ。

・あちこちになんか変な垂れ幕がはってある。そこに意味不明な四文字熟語とか書いてある。東南アジアのパチもん日本語Tシャツみたい。石橋凌はなんも言わなかったのか。

・ヤクザの殴りこみが忍者装束。向こうの映画は「ラストサムライ」からして、どうしてもニンジャを出さないと気が済まないらしい。

などなど、ツッコミたい人は是非観てほしい。

そして、それぞれの持ち味を見事に殺して迷走している映画。

その中でも、確かな演技を魅せてくれれるジェット・リーは格別にステキでした。

ステキなんだけど、結局お前は誰なんだ?という感情移入しにくい設定なんでイマイチ・・・。

ジョン・ローンはなぜこの役を引き受けたのか。

「仁義なき戦い」で言えば、槇原あたりの役どころじゃない?

それとケインコスギがヤクザ(こんな健やかな顔した爽やかなヤクザ見たことない)の下っ端役で、石橋凌に散々な目に会います。でもジェット・リーともタイマンできるので、良かったかも。ショー・コスギの七光はあんまり届いてないようです。

映画レビュー:野獣刑事


日本版ダーティーハリー?

と言っていいのかしら。

サンフランシスコって大阪と似てるんでしょうか。

一度だけ行ったことありますが。

ハリーはサンフランシスコ市警。こちらは大阪府警です。しかも今宮警察署というところなんですが、実際には西成署でしょうね。

もうかなり以前ですが、サンフランシスコへ行った時、結構良いホテルだったんですけど、周辺地図を渡されて、この斜線が描いてあるところには絶対行くなと。しかし、ホテル周辺ほとんど斜線で身動き取れんやん。夜はずっと部屋で映画観てました。窓から見下ろすと、暗い中に新聞紙が舞っていていかにもやばそう。

大阪も全国的にはそんな目でみられてるところもあるし。

そして御存知の通りサンフランシスコは坂が多い。大阪もその名の通り坂が多い、かも知れない。

港町なところはどちらかというと神戸い近いですが。

まあ、むりやり共通点が多いことにして。

この日本版はジモティとしては、生活感がありすぎて、どうしても本家とかぶりません。

ヒロインいしだあゆみの住んでいるのは多分淀川区・加島の文化住宅の模様。推測ですが、おそらくモスリン橋の辺りではないかと。

ハリーはホットドッグをモグモグしながら44マグナムをぶっ放しますが、緒形拳の方は文化住宅のDKでレバニラ炒めを作っています。

yajyu2013.9.6

この生活感はダーティだけどハリーじゃない

ということで、もう比較はやめましょうww

完璧な関西弁

ボクはテレビ版「ナニワ金融道」のシリーズが大好きで、DVDボックスを持っています。

その中で緒形拳は主人公灰原達之@中居正広の勤める帝国金融の社長:金畑金三を演じています。

この人(緒形拳)、生粋の東京っ子なんですよ。

「ナニワ金融道」であまりにも達者な関西弁なので驚いていたのですが、そのルーツはこの映画にあったのですね。

1982年の映画ですが、こちらの関西弁の方がさらに見事です。

全く違和感がありません。非の打ち所がない。今どきの若いネイティブよりイケてます。

「極道」シリーズ・「悪名」シリーズを演っていた若山・勝兄弟よりずっと達者です。

「復讐するは我にあり」では長崎弁を駆使しますが、おそらくこちらも完璧なんでしょう。

ダーティ緒方ですが、どうにも無軌道で無茶苦茶すぎますね。東映イケイケ路線でもきっちりいい仕事してます。

共演者

・泉谷しげる

ダメ男を演じさせたらやっぱ天下一品。むか〜し、エキストラのアルバイトで一緒になったことありますが、独特の存在感ですね。

足が悪いのに結構走るシーンが多く、それだけで、物語に深みがでます。シャブ中なんですが、暴れまわってガラスを叩き割るシーンでは、多分腕から出血してます。大熱演。

・いしだあゆみ

地元、池田市出身のお嬢さんのはずですが、結構汚れ役多いですね。今回は美しい裸身が拝めます。

TV版「ナニワ金融道」でもスレたおばはん役で好演。

・小林薫

若い。わりとしっかりクレジットされていたので、もう少し活躍するのかと思いきや、出番は少しだけ。

こちらも「ナニワ金融道」桑田役で緒形拳と名コンビでした。

芦屋雁之助が西成のドヤのおかしなおっさん役。ちょっと裸の大将の原型ぽい。

藤田まこと・遠藤太津朗・成田三樹夫などが脇を固め、安定感あり。

映画レビュー:復讐するは我にあり


ホラーとか、もういいわ

観たいなーと思いつつ、観られてない映画は沢山あります。この映画もその一つでした。

もう一つ、「鬼畜」と並んで観たいリストに入ってたんですが。多分こちらから観てよかったかな。

比較するのもどうかと思いますが、コワイよー(・_;)

どんなホラー映画よりコワイ。

度々書いてる「映画において、予告編を越える本編はない」という持論ですが、それは商業映画でショッキングなものはショッキングな描写があるということも一因です。

つまり、何種類かのショッキングな描写を散りばめてるわけで。

でも、この映画、基本的にショッキングなシーンてないんです。

あるとすれば、ボクとしては一箇所だけでしたね。

それも直接描くんではなくて、状況と音のみで。

つまり映画にのめり込んでいる想像力と感受性の強いひとほどダメージが大きいという。

緒形拳対三國連太郎、そりゃ反則だ

この二人が親子なんですね。濃すぎます。

実話を元に、大悪人の連続殺人犯人を演じるのが緒形拳。

で、敬虔な(???)五島のクリスチャンである両親が三國連太郎とミヤコ蝶々(!!!)ミヤコ蝶々の関西弁以外の役は初めて観ました。元々、東京の人ではありますが。

緒形拳と三國連太郎が、それこそ顔面10センチまで近づけて大熱演ですから、迫力が半端じゃない。それだけでお腹いっぱい。の、ところにさらに色々と口に無理やり詰め込まれるような映画です。

実はこの極悪主人公役のオファーが最初に来たのが渥美清だったらしいのです。すでに寅さんのイメージが定着していた渥美清はそれを壊すことができなくて、断ったらしいのです。

寅さん大ファンの自分としては、渥美清の冷血鬼というのも観たかったような観たくないような。

ちなみに「男はつらいよ」で、ミヤコ蝶々は車寅次郎の母親役です。そしてこの映画では緒形拳の母親でもある。

この二人は双子なのか。

後から知ったのですが、寅さんもこの映画の主人公も、何者にも縛られず己の好きなように生きている、という点では同じかもしれない。

「黒い寅次郎」と呼ばれているらしいのです。

そしてヒロイン(か?)を演じるのは元猪木夫人・倍賞美津子。

エロイにもほどがある。

ご存知の通り、こちらは車さくらの倍賞千恵子の妹。

となると、こちらも「黒いさくら」なのかしら。

深くて救いがなくて、ホント怖い映画です。

hukushu2013.9.6

息子の顔に思い切り唾は吐きかける父


あと、上にも書いた通り、セットで語られるのがこの映画の前作。緒形拳の悪役開眼とも言える映画「鬼畜」です。

ざっくりとあらすじは知ってるので、この映画を観たあとでは、ちょっと遠慮したい。怖すぎます。

体調の良い時に観てみたい。

しかも、こちらの映画も最初に主人公のオファーがきたのが渥美清。

今村昌平、よっぽど渥美清で映画が撮りたかったのでしょうか。

その他、本作は豪華演技陣と言って良いでしょう。

根岸季衣がちょっとかわいいです。

映画レビュー:マン・オブ・スティール


とりあえず、公式サイト(#・∀・) 今どき重すぎ。

manofsteel2013.9.3

マン・オブ・スティール公式サイトより転載

※注:以下ちょっとネタバレあります。

本国でもかなりヒットしているみたいですね。

観る前と観終わった後と・・・感想はあまり変わらず。

やっぱこんな感じか。

ニーズに合わせてるんだからいいですけど、ボクの中のスーパーマンはこうではない。

こんな”くすんで”ない。

目に痛いくらいの三原色でないと。パンツはいてよ。

小耳に挟んだ感じでは、この後バットマンと共演するらしいので、色目を合わせてるんでしょうね。


やっぱりなあ・・・

スーパーマンはもう少し脳天気な方が好みです。

ヒゲ中顔だらけのヒッピーみたいになって、自分探しの旅に出てるスーパーマンていうのもなあ。

いっそのこと、チェンマイでガンジャでもキメててくれたらもう少しシンパシィが・・・ないか。

最近のアメコミ・ヒーローは軒並みダーク系ですねえ。

バットマンに引きずられてるんでしょうか。

描写・演出がリアルであればあるほど浮きだってくる部分もあります。

↓こんなことはファンが寄ってたかってとっくに理由付けしてるんでしょうが。

超高速で飛んで、なんで髪型乱れないの?どんな整髪料使ってるの?とか

空飛ぶのにあのマントは空気抵抗あるだけじゃないの?とか。

放浪の時のヒゲもじゃはどうやって剃ったの?地球上の物質でスーパーマンの髪や髭は切れるのか?とか

生まれた時からこんな低い重力と負荷の中で育って、なんでちゃんと成長できたの?ていうか、逆にムキムキすぎやん。とか

やなオトナでなくても、いろいろとサイドが気になる。


あと、スーパーマンの戦いって、もっとファンタジーなものがほしいです。

あんなドッカンドッカンの連続は他の人(ヒーロー)にまかせてさ。

「んな、アホな」みたいな感じで見せて欲しかった。

特にあのラスト。

あれはないやろう、あれは。

ゾッド将軍が・・・(;´Д`)

続編もあるんでしょうが、もういいかな。

でも、バットマンその他との共演はそれなりに観てみたいかも。

映画レビュー:かぞくのくに


著者 :
角川書店
発売日 : 2013-03-22
やっと観ました。

観て後悔。なんでちゃんと無理してでも映画館で観なかったのかと・・・。

゚(゚´Д`゚)゚。

原作・脚本・監督のヤン・ヨンヒさんとは面識がございます。

もう、かなり前ですが、何度かご一緒しました。呑みました。

その時は舞台女優でしたね。

才色兼備のべっぴんさんで、まともにお話できませんでした。

自虐的に自分はキムタクに似てると言われるとか言ってましたが。どちらにしても美形だからOKでしょう。

その後、すごくアクティブに活動され、カメラを担いで世界中飛び回ってたみたいです。

監督として有名になった最初の作品「ディア・ピョンヤン」も良かったです。完全にドキュメンタリーです。

その後の「愛しきソナ」は未見です。

本作はキネ旬1位とか外国の映画賞を総なめとか。そこまでいくと申し訳ないけど眉唾でした。

全力で謝罪します!名画です。名作です。

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良く撮りましたね。
完全に朝鮮総連を敵に回してませんか?

あ、ネタバレありますので、そのつもりで。

このお話はヤン・ヨンヒ監督の家庭をモデルにしています。

ARATAは井浦新に名前を変えました。ARATAの方がすきですが。

いいお芝居してますね。

ボクの好きな津嘉山正種も出てます。歳とりましたね。でも、迫力は変わらず。

アボジの津嘉山正種とオモニの宮崎美子。

まさに厳父と慈母という感じです。

ヤン・ヨンヒ監督役といっていいのか、妹役が安藤サクラ。

横顔が時々ヨンヒさんに似てます。

本人の方が美人ですけど。

監督の技量もさることながら、演者がひとりひとり素晴らしい!

書いてると長くなるので割愛します。

北朝鮮の監視員役ヤン・イクチュン。

日本映画にも結構出てる、いい俳優ですね。

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現在、ヤン・ヨンヒさんの国籍がどちらになってるのかは知りませんが、北朝鮮をまるで血も涙もない、極悪国家のように描いています。

大丈夫なんでしょうか。

自身をモデルにしている安藤サクラが冷血漢の監視役ヤン・イクチュンに「あなたの国は大嫌い」と叫ばせるシーンもあります。

ストーリーを追うだけのレビューなど書きたくないし、徒(いたずら)に冗長になるので、これくらいにします。

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ながらくカメラを担いでルポなどを行っていたからか、この映画もハンディカメラが多用されます。創作ではあっても事実に基いているんだという印象を与えます。

ラストのオモニ@宮崎美子の悲痛な慟哭は、そのまま拉致被害者の横田さんと合わせ鏡のように思えてなりません。

想像を越えた名画でした。

この映画は、先に「ディア・ピョンヤン」を観てからの方がよりいっそう理解が深まるかもしれません。

☆この映画を観る前に北朝鮮でポルノを観たとか出たとかで、何人かの芸術家が処刑されたというニュースが伝わりました。

偶然、映画の中で監視員のヤン・イクチュンがホテルのテレビでAVを観てるシーンがあり、何気ないシーンなのに何か深いものを感じてしまいました。

ちゃんとエンドロールで協力SODってでてましたが・・・どうでもいいか。

映画レビュー:鴨川ホルモー


著者 :
ポニーキャニオン
発売日 : 2009-10-06
大分前に原作を読んで、ムムムーという感じでした。普通だったら映画は観ないのですが、何せ千明様が今までにない変なキャラで出てるので、観ないわけにはいかないなと思っていました。

全然小説がダメということではありません。でも、多分万城目さんの他の作品を読むことは優先順位的に難しいかなという感じ。

全編京都が舞台なのに、まったく京都弁・関西弁の出てこない小説でした。

京都大学がメインの舞台なので、そりゃまあ、日本全国から集まってくるので、関西弁でなくても良いのかなと。不自然ではありますが。

ウシジマ君とのギャップが楽しめるのが山田孝之。あんまり良く知りませんが、なかなかいい俳優ではないかと思います。

なんか、出てくる学生役があんまり京大生っぽくないです。

歳がいくつなのか知りませんが、荒川良々が一番京大生っぽかったような気がします。

映画は京都の名所が随所に出てくるので、京都好きは楽しいかと思います。

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あと、当然千明様の大木凡人ヘアとデカメガネが・・・なにやってもかわいいね。

浴衣も当然。

もうそれだけでいいですわ。

ありがとうございました。