読書レビュー:ブッチャー 幸福な流血―アブドーラ・ザ・ブッチャー自伝


結構前に出版されていた本です。

以前途中まで読んで、その時は途中でやめたような記憶がありますが、今回は一気に読みました。

内容よりも、このタイトルとカバー写真で「本」としてはOK(完成)です。

長い、プロレスファン人生でも、ブッチャーは格別。最もインパクトのあったレスラーです。

頭に蛇口がついているのかと思うくらいの流血っぷりで追いかけれたときは、生きた心地がしませんでした。
人間というよりは、クマとかサイとかに追いかけられている感じ。

この自伝は多分、結構自分で書いているんじゃないかな。というか、あまり第三者の演出はないように思います。

かなりええかっこしてますがね。多分。

インド系とアフリカ系の両親に生まれ、幼少時から極貧の中に育ったらしい。少年時の写真が一枚しかなく、貴重なその写真が使われています。
全く肥満していない、普通の黒人の少年です。

これは自伝の中にもありますが、貧乏の中で生きて行くために、自然とずるがしこく、守銭奴的になっていったようです。

当然、並大抵の自己主張では自己顕示欲の塊のようなレスラーの中で、なんのバックもないブッチャーが頭角を表せるわけはありません。
それほど、あえて描かれなかったのかもしれませんが、、相当な努力があったものと思います。

憧れでもあった、有色人種の大先輩スーパースター、ザ・シークとの確執も、尊敬と憎しみがないまぜになって描かれています。

その他の斎藤文彦を始めとするインタヴューなどを総合すると、かなり、計算高く、狡猾な・・・だけれども、自分には厳しく、プロレスラーとしては最高であるブッチャー像が見えてきます。

読み終わった後、無性に「ザ・ファンクスvsブッチャー・シーク」組のオープンタッグ選手権がみたくなって、YouTubeで探しました。
モー、サイコーです。

しかし、ブッチャーvs高田戦の高田のしょっぱかったこと(;´д`)トホホ…

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