日本と比べるとアメリカは本は非常に高価である。というより、日本は本が安いようだ。
アメリカでもっとも有名なプロレスラーである「ハリウッド・ハルク・ホーガン」の自伝。
この厚さでは、それこそ、アメリカンな内容で、途中で挫折するだろうなと思っていた。
しかし、存外面白く、読み進めることができる。
と思いきや、やはり2/3を読んだところあたりで、どうも雲行きがあやしくなってきた。
なんだか、身内(離婚したホーガンの妻)のことや、仕事の契約上のトラブル・裁判沙汰など、プロレスに関係ないことがだらだらと続き始めるのだ。
まあ、素顔のホーガン=テリー・ジーン・ボレアについて興味があるわけでもなく、イヤになって読むのをやめてしまった。
映画「ビヨンド・ザ・マット」「レスラー」以降の著作でもあり、いまさら暴露本でもないが、裏話が赤裸々に描かれてはいる。その件については特に興味をひかれることはないけれども、80〜90年代のマット界の変遷の真相(?)としては面白い。ドラッグとかね。
あと、ビンス・マクマホンの成り上がる背景であったり。
人間ハルク・ホーガンはやはり興味深い人物である。自伝であり、当然一人称で描かれ進展していくので、話半分以下には読んでいるのだが。
あの、最強の大男が、本人言うところのヒステリーなわがままな愛妻とその親族に振り回されるというのは、ある意味お約束か。
おそらく編集者との共著なので読みやすさはあるとおもう。冒頭から自殺寸前のシチュエーションで始まるところなんか、ドラマチックですね。
最後まで読めなかったので、結論は書きにくいけれど。いいんじゃないでしょうか。
かつて、ゴッチやテーズは、最近のプロレスの象徴としてのホーガンをなんちゃってレスラーのようにこき下ろしていたが、ここではそのホーガンが新鋭のザ・ロックあたりを、今どきの甘ちゃんレスラーとして扱っているのがなんとも興味深い。