澤田隆治。「リュウジ」だと思ってたら、正しくは「タカハル」らしいです。
でも、結構みんなサワダリュウジって言ってません?
まだご健在です。
若干評価が低いように思うんだけど。ご本人があまりアピールされないのかな?
秋元康レヴェルをはるかに凌駕するプロデューサーだと思うのですが。
つんくより若くしてダイラケや藤田まこと⇒てなもんやシリーズなどを生み出し、関西を全国区にしました。
スチャラカ社員・ダイラケ捕物帳・てなもんや三度笠等々・・・。
特に「てなもんや」は「全員集合」以前の怪物番組。
ゲストにブレイク前の若いドリフが出ていたのを思いだします。
澤田さんより歳はずっと下ですが、ダイラケを使っていたということは・・・。もう、お笑い界のドンですね。本書でも林会長を悪意なくオッサン呼ばわりしてますが。
その後、「花王名人劇場」を企画し、社会現象となった『漫才ブーム』を作り出します。
この『漫才ブーム』がなければ、ビートたけしはここまでのビッグネームになったでしょうか。
紳竜を大ブレイクさせたことにより、フォロワーとしてのダウンタウン以降の流れができました。
最初から大河でしたが、今やその流れはアマゾン川の様相を呈しています。
その経済効果たるや計り知れません。
よしもとはそれをうまく利用しただけであって(もちろん、その手腕も凄いのですが)、大本は澤田隆治プロデューサー個人が源流の堰を切ったと言っても過言ではないと思います。
たまたま今年は吉本百周年で、いろいろと企画が練られているようです。
ひとつ言えるのは、ラジオ・テレビ時代黎明期に最高の企画で貢献した澤田隆治には足を向けて寝られない、ということでしょうね。
この本でも錚々たる演芸人が登場するのですが、中で最も印象に残ったのが、先日物故した正司玲児とコンビを組んでいた正司敏江(としえちゃん)。
その他の名人や、やすきよのようにあまり語られる事がなかったからでしょうか。
その出生などが凄まじい。
「ホームレス中学生」やメッセンジャー黒田・次課長河本あたりが貧乏話でウケてますが、こちらは次元の違う貧乏話の聞き書き。
時代が違うと言ってしまえばそれまでですが、それをウリにはしていないし、ちょっと笑いにもできない・・・かな。ご本人は笑い飛ばしてますが。
あまり可憐じゃない(謝)版の「おしん」という感じです。
現在、笑芸人は養成所出身がデフォルトにはなってますし、それにはどうしても違和感を感じてしまうのですが、この本あたりはテキストとして活用できるのではないでしょうか。
(敬称略)