いかにもとっつきやすいタイトル。
裏切らないとっつきやすさ。
設定や展開があまりにも期待どおりに進んでいくので、少し小賢しく感じていたのですが、なんだかんだ言ってうまいよね。プロフェッショナルだよね、エンターティンメントだよねという感じに変わって行きました。
「恋愛小説の女王」というキャッチフレーズがあるそうです。そういえば「阪急電車」も超アマアマな内容で、勘弁してほしいところも多々ありました。
本書もそのようなスパイスならぬシュガーとミルクが効いています。読書視線を高校生カップルのフィルターを透しているので、最初は主役だったおっさん達が最終的には狂言回しになってしまうので、結局そうなんかい!という感じ。
おっさんの読者としは、少々不本意かも。
この、ゴールデンタイムのテレビドラマのような(久しく観てないのでわかりませんが)感じだけれども、問題提起も忘れておらず、イジメやサイコ犯罪などを事件として展開させていくあたりはさすがです。
これらをおいしいやさしいソフトでポピュラーな小説として仕上げている所はすばらしい。
読者の裾野を広げることにより、自然と目を背けそうな社会問題をアピールしていく。良質な小説だと思います。
私の好きなテレビ版「ナニワ金融道」も同じ意味で優れていたと思いますが、これは又改めて。