
いろいろと読み比べたいのですが、新書でとっつきやすそうなので、読んでみました。
キーワードとしてのビッグ・データは理解しているつもりです。
かなり以前からその有用性は一般的に認識されていたと思われますが、個人情報漏えいの危険性と表裏一体であったり、どこまで整備されているのかが不安な部分でもありました。
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ビッグ・データ。
文字通り膨大なデータです。
これまで人類が記してきた全データ量をこの数年で越えてしまっているようです。
それはそうでしょう。
数十年前までは写真機は貴重品であり、一家に一台あれば良いほうでした。
オートマチックになるまでは、撮影そのものに高い技術が求められ、フィルムも高価です。
プリントした写真は丁寧にアルバムに整理されるものでした。
しかし、デジタルカメラ・携帯電話・スマフォと進化し、写真を撮影するということがごく日常的なことになってきました。
それまでは撮影に失敗したものは、マメに削除していましたが、同しようもないもの以外は削除すらしなくなりました。
現在はローカルに置かれている画像データががほとんどでしょうが、クラウド利用も多くなり、共有されることも少なくありません。
ある程度容量のある画像データですら、そのような状況なのですから、テキストデータにおいておや。
失敗した習字の紙(アトム)は丸めて捨てられてきましたが、データ(ビット)はドンドンとたまっていきます。
そしてムーアの法則により、検索性が飛躍的に発達した今、その「ビッグ・データ」を生かす時代に来ているということです。
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本書では、ビッグ・データの個人情報を活用することにより、例えばamazonのレコメンドのような「便利」と「おせっかい・気持ち悪い」という微妙なサービスができると、再三説いています。
その他は、延々とビッグ・データビジネスの事例や可能性を書き連ねていくのですが、はっきり言ってこれは退屈です。
まとめてもらっても、それほど目新しいものはありません。
それよりも、今後の可能性と具体的な問題点・その解決策などに紙数を割いてくれたほうが良かっただろうと思います。
多分、斜め読みで良い本でしょう。