
大正期の日本を描いた韓国映画。
植民地化された朝鮮半島の恨みと主張。
先日の「ヴィクトリア女王 最後の秘密」と好対照。
実在のアナキストである朝鮮人、朴烈と日本人金子文子が主人公。
安重根は知っていましたが、この朴烈及び金子文子については全く知りませんでした。
安重根同様、韓国では英雄のようです。
そして、朴烈と金子文子も皇太子時代の昭和天皇を殺害を企てたテロリストとして、大逆罪に問われます。
かなり厳しい映画です。スパイスが効きまくりというか。
特にいま現在(2019年2月)。
天皇代替わりが間もなく行われる時でもあります。
そして徴用工問題がまだくすぶり、韓国国会議長が慰安婦問題について天皇への謝罪を要求するなど、超きな臭い昨今です。
そこにもってきてこの映画はかなりキツイ。
主に関東大震災後の朝鮮人虐殺を再確認していきます。
見ていて非常に辛い内容です。
件の虐殺が時の法務大臣水野 錬太郎個人の悪魔的策略であったという。
水野の描かれ方があまりにプロトタイプの悪役過ぎて、にわかには信じられません。
しかし、観る価値は大。
韓国ヒーローの反日映画と見てしまうのは早計です。
ここまで丁寧に日本を描いているのは、日本での公開を想定してのことでしょうね。
でないと説得力ないですから。
比較するのもなんですが、「ドラゴン怒りの鉄拳」のようなトンチンカンな描写では、日本の観客に問題提起できずに適当にスルーされますし。
アレクサンドル・ソクーロフ監督の映画「太陽」でイッセー尾形が演じた昭和天皇は、その洋装を米兵にチャップリン呼ばわりされます。
普段、天皇及び天皇制に必ずしも賛同していない自分ですが、この描写にはムカついた記憶があります。
本作も朴烈・金子文子が執拗に天皇・皇太子をディスりまくるので、見ていてキツかった。
例えば韓国映画「力道山」であれば、メジャーな日本人俳優が多く出ていましたが、本作にはほぼ知った顔がありません。
少なくとも商業演劇に出ている俳優の出演は難しいでしょうね。
また、本作は丁寧に作られた佳作だと思いますが、日本での公開館が非常に少なく、関西でも京阪神でそれぞれ一館ずつです。
この内容では、少し腰が引けたのかもしれません。
しかし、思います。
日韓の問題は、お互いにヒステリックになりがち。
どちらもお互いが大嫌いで大好き。多分。
お互いを尊重して、お互いが自分を誇らしく思えればなと。
私は日本とそのあり方にはプライドを持ってい・・・ま・・・す。
★★★★☆