読書レビュー:歴史をつくる人々〈第17〉 ヒゲと勲章 ウイスキー革命は俺がやる 竹鶴政孝 (1966年)


古い本です。

ダイヤモンド社の新書「歴史をつくる人々」シリーズ。

昭和41年。

ダイヤモンド社の新書は昭和30〜40年代に刊行され、現在は出されていないようです。

古本屋で見つけたらゲットしましょう。

この本、Amazonでは画像掲載されていますが、今のところブクログでは画像が表示されていません。自分で登録できるのかな。調べてみよう。

表紙はニッカのおじさんです。

よく、王様と勘違いされますが、これは伝説的ブレンダーのローリー卿です。ウイスキーの原料の大麦とテイスティンググラスを持っています。このことは本書の中でも少しだけ触れられています。

ニッカウヰスキー創業者というよりも、ジャパニーズウイスキーの生みの親、竹鶴政孝の自伝。(ミスター)ウイスキーの自伝です。

写真も多数掲載されていますが、「頑固親父」を具象化したらこうなるだろうなという面構えですね。でないと現在のウイスキーの品質は生まれなかった。

禿頭にカイゼル髭、老齢にもかかわらずがっしりとした体躯。経営者・技術者というよりは、軍人の容貌です。

その人となりが伺えるダイナミックで感情的な筆致はゴーストライターなどの介在する隙を与えません。

本書に記載されていることではありませんが、かなり高齢になるまで一日一本のウイスキーを欠かさず呑んでいたそうな。

日本人離れした酒豪です。

もっとも、28歳まで酒を嗜まなかったということなので(゚Д゚)ハァ?という感じですが。

自慢話的な内容も多々あり、口調も自慢気なのだが、それがまた無垢な子どもが他意なく自慢しているようで、その人となりに引きこまれます。

メモを残す習慣を持たず、全て頭の中に入れておく主義らしく、そのあたりも前時代的職人気質を感じさせますが、できればそこは記録にいろいろと残して欲しかった。

個人的にはニッカの「フロム・ザ・バレル」が一番好きなジャパニーズウイスキーなのですが、ニッカを呑みたくなってきたので、創業の地でもある「余市」を買ってきました。

テイスティンググラスについで十分に香りを楽しみながら読んでいると、竹鶴社長と時代・場所・経験を共有できるかのような錯覚を楽しむことができます。

IT社長もいいけれど、やはり、人として魅力的ですねえ。言ってることがかなり強引なのはご愛嬌。

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